判決年月1996年7月の労働判例

1997.06.16 【判決日:1996.07.08】
ミツキ商会事件(東京地判平8・7・8) 退職した監査役に退職金規定の適用は? 使用人との兼務認めない
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 取締役・調査役
  • 賃金
  • 退職金

商法と労基法では矛盾した取り扱い 筆者:弁護士 安西 愈 事案の概要  本件は、原告(退職した監査役)から被告(元の勤務先会社)に対して、退職金規定に基づく退職金請求権又は退職の際の退職金支給の合意に基づく退職金請求権があるとして、退職金の支払いを求めた事案である。  被告は、原告の定年退職時には、相当の退職金を支払い、また、原告が常任監……[続きを読む]

1997.06.02 【判決日:1996.07.31】
日本電信電話事件(大阪地判平8・7・31) 弁明の機会を与えずになされた懲戒の効力 直ちに違法無効といえない
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒手続

「出席させ弁明」の明記があれば別 筆者:弁護士 畑 守人(経営法曹会議) 事案の概要  原告は、昭和46年4月1日、被告の前身である公社に入社し、被告の支店や支店傘下の営業所に営業担当者として勤務していた。  原告は、平成2年2月から平成5年4月の間に、上司、同僚などに対し、大声で暴言を吐いたり、無言電話などをかけるなどの嫌がらせ行為や暴……[続きを読む]

1996.12.30 【判決日:1996.07.31】
ロイヤル・インシュアランス・パブリック・リミテッドカンパニー事件(東京地決平8・7・31) 労働組合の了承ない整理解雇の効力は 手続要件欠き無効と判断 ★
ジャンル:
  • 労働組合
  • 整理解雇
  • 解雇

絶対的要件ではないことに留意を! 筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議) 事案の概要  保険業務及びその関連業務を目的とするロイヤル・インシュアランス・パブリック・リミテッドカンパニー日本支店は、経営状況の悪化から組織の見直しを迫られ、見直しプロジェクトを設置し、その最終報告を基に組織を簡素でフラットなものに改革した。この新体制への移行……[続きを読む]

1996.12.16 【判決日:1996.07.29】
栗本鐵工所・末広工業事件(大阪地判平8・7・29) どこまで必要か使用者の安全配膚義務 通常予測しうる範囲でよい
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

使用者に過失なく民事賠償義務否定 筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議) 事案の概要  本件は労災民事賠償事件で、使用者側の安全配慮義務違反が否定された事案である。  鋳鉄管メーカーA社の協力業者Bに雇用された従業員Xは、A社の工場においてA社の指揮監督下で排水ポンプ5台及びバルブ5台を天井クレーンを利用して運搬する作業に従事中、安全な……[続きを読む]

1996.11.11 【判決日:1996.07.02】
佐世保重工業事件(東京地判平8・7・2) 取締役の就任阻止図った幹部を解雇 経営権侵害で懲戒は有効
ジャンル:
  • 会社批判
  • 懲戒・懲戒解雇

企業秩序を破壊し社会的相当性欠く 筆者:弁護士 開原 真弓(経営法曹会議) 事案の概要  取締役人事に関し特定役員の就任阻止を目的として行われた幹部職員ら労働者の行動が「会社の経営人事権に不当に介入し経営権を侵害する」ものとして懲戒解雇を有効とし、解雇者からの退職金請求を棄却した事案で概要は次のとおりである。  企業再建者として名高いT社……[続きを読む]

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