判決年月2003年5月の労働判例

2004.05.31 【判決日:2003.05.27】
芝浦工業大学事件(東京地判平15・5・27) 大学教員の定年引下げ、就業規則改正は有効か 不利益の受忍は許容できる
ジャンル:
  • 定年制
  • 就業規則の不利益変更

 70~72歳に設定していた理系単科大学教員の定年年齢を、65歳に引き下げる就業規則改正を行ったが、この不利益変更の効カを巡って争われたもので、高齢教員の人件費削減の必要性を認め、退職金加給などの代償措置などを評価、不利益を法的に受忍させるだけの高度の必要性と合理的な内容と判示した。 高度の必要性あり 代償措置も十分と 筆者:弁護士 加茂……[続きを読む]

2004.03.29 【判決日:2003.05.09】
金融経済新聞社事件(東京地判平15・5・9) 休憩時間中に組合集会、懲戒処分は不当と訴える 業務に支障出ず相当性なし
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 組合活動

 無断で休憩時間中に組合集会を開き、始末書の提出にも応じない労組幹部に対し降格や賃金減額など懲戒処分したところ、役職手当などの支払いを求めたもの。施設管理権による職務上無関係な集会の禁止を合理的としつつも、秩序維持義務違反の程度は軽微で、懲戒処分に相当性がないとして請求を認容した。 管理権を認めつつ 違反の程度は軽微 筆者:弁護士 岩本……[続きを読む]

2004.03.08 【判決日:2003.05.22】
伊予銀・いよぎんスタッフサービス事件(松山地判平15・5・22) 契約終了で雇止め、長期派遣を理由に継続を要求 合理性がない雇用への期待 ★
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 派遣
  • 解雇

 派遣先との派遣契約が終了し、派遣労働者との雇用契約を打ち切ったが、13年余の長期派遣を理由に雇用契約の継続を要求したもので、派遣法の趣旨から継続期待には合理性がなく、また派遣契約は企業間の商取引で、期間満了による雇止めも止むを得ない合理的な理由に当たる、として訴えを斥けた。 企業間の“商取引” やむを得ぬ理由に 筆者:弁護士 石井 妙子……[続きを読む]

2004.03.01 【判決日:2003.05.07】
全国信用不動産事件(東京地判平15・5・7) 55歳時賃金の減額措置適用、不当と差額を請求 人件費削減 高度の必要性ない
ジャンル:
  • 定年制
  • 就業規則の不利益変更

 55歳到達者の賃金減額措置を盛り込んだ平成5年改正の就業規則を適用したところ、変更前との差額を請求された事案で、定年延長措置と一体との会社主張を斥け、経営改善に講じた措置は同減額策だけで人件費削減の高度の必要性はなく、代償措置もないとして、就業規則変更の合理性を否定した。 規則の変更は無効 代償措置も採らず 筆者:弁護士 渡部 邦昭(経……[続きを読む]

2004.02.16 【判決日:2003.05.06】
東京貨物社事件(東京地判平15・5・6) 競業行為の社員を解雇、退職金ゼロは不当か 功労否定する程重大でない
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 競業避止義務

 勤務先の業務と競業する会社を設立し競合する業務を行い利益を得ていた従業員を、懲戒解雇事由に該当するとして出勤停止処分後普通解雇し、退職金を不支給にした事案で、在職中の競業行為は背信的行為としつつも、長年の功労を否定し尽くすほど重大ではないとして、45%の減額が相当と判断した。 背信性あるものの 45%の減額が相当 筆者:弁護士 山田 靖……[続きを読む]

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