判決年月2003年9月の労働判例

2004.11.01 【判決日:2003.09.22】
グレイワールドワイド事件(東京地判平15・9・22) 会社PCで上司誹謗の私用メール、解雇は? 職務専念義務に反しない
ジャンル:
  • 服務規律違反
  • 解雇

 会社のパソコンから私的な電子メールを送受信し、上司に対する誹誘中傷を行ったとして解雇した効力が争われたもので、電子メールの私的使用は1日2通程度で職務専念義務に違反したとはいえないとし、上司への批判は使用者への誠実義務の観点から不適切だが背信性は低く解雇は無効と判断している。 1日2通程度なら 批判も背信性低い 筆者:弁護士 加茂 善仁……[続きを読む]

2004.09.27 【判決日:2003.09.30】
トヨタ車体事件(名古屋地判平15・9・30) 懲戒解雇のリベート受領社員が退職金支払えと 請求は信義則に反し失当 ★
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職金

 発注権限を濫用し、下請会社から高額のリベートを受領した課長職を就業規則にそって懲戒解雇し、退職金を全額不支給としたところ、退職金の支払いなどを訴えたもので、実質的な懲戒解雇事由が存在するとともに、その事由は軽微なものといえず、原告の退職金請求は信義則に反し許されないとした。 軽微ではない事由 情状を考慮しても 筆者:弁護士 牛嶋 勉(経……[続きを読む]

2004.05.24 【判決日:2003.09.19】
東京コムウェル事件(東京地判平15・9・19) 競業会社に転職した外務員の退職金支払わず… 不支給事由 規定で懲戒解雇に限定
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 競業避止義務

 商品取引外務員が競業する証券会社に転職したため、重大な就業規則違反として退職金を支払わなかったが、退職金規定の不支給事由は「懲戒解雇に限定」されているとし、また退職金放棄の誓約書も自由意思に基づかず無効と判断、支払いを命じた。なお不法行為による損害賠償などの請求は斥けている。 就則違反ではダメ 放棄誓約書も無効 筆者:弁護士 岩本 充史……[続きを読む]

2004.04.19 【判決日:2003.09.30】
中労委(朝日火災海上保険)事件(東京高判平15・9・30) 労使が労委の判断を不服と提訴、命令の効力は 副部長への是正は裁量逸脱 ★
ジャンル:
  • 労働組合

 労働委員会に係属した事案がもつれ行政訴訟に及んだ控訴審判決。争点は多岐にわたるが、基本的に会社の不当労働行為・支配介入を認め、中労委の是正命令を裁量権の範囲内とした一審判断を維持、昇格差別については副部長への是正は会社の人事権を侵害するとして、労委命令の効力を限定した。 昇格の実態を分析 不当に人事権制約 筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法……[続きを読む]

2004.02.23 【判決日:2003.09.17】
メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ事件(東京地判平15・9・17) 弁護士に企業秘密開示、守秘義務違反で解雇へ 自己救済目的で不当性なし
ジャンル:
  • 守秘義務違反
  • 懲戒・懲戒解雇

 いじめや差別的処遇が行われているとして弁護士に社内人事情報などを開示した従業員を、守秘義務違反・書類返還要請拒否を理由に懲戒解雇したが、目的が自己の救済であり不当とはいえないとして特段の事情を認め、解雇は軽微な理由により無効とした。委任前であっても弁護士への開示は許されるとも。 特段の事情認定し 解雇は無効と判断 筆者:弁護士 牛嶋 勉……[続きを読む]

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