判決年月2003年10月の労働判例

2004.07.19 【判決日:2003.10.16】
JT乳業事件(金沢地判平15・10・16) 違法製造で会社解散、解雇従業員らが賠償請求 経営責任認め慰謝料命じる
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  • 労働契約上の権利義務

 違法な牛乳製法が社会的指弾を浴び、株主総会での会社解散決議に基づき全従業員を解雇したところ、元従業員らが代表取締役の任務懈怠に原因があるとして損害賠償を求めたもので、経営者の損害賠償責任を認めつつ、将来の賃金など損害が把握できないとして各自300万円の慰謝料の支払いを命じた。 再就職の苦労斟酌 妥当と思えぬ判旨 筆者:弁護士 加茂 善仁……[続きを読む]

2004.07.12 【判決日:2003.10.22】
テンプロス事件(東京地判平15・10・22) 派遣社員の犯罪行為で契約解除、責任は元・先どちら 指揮監督困難でも派遣元に
ジャンル:
  • 派遣

 派遣料金の支払いを求められた派遣先会社は、派遣社員の申込書偽造により業務委託を打ち切られたことを理由に損害賠償金を請求したもので、不法行為の使用者責任は派遣会社にあるとしつつ、派遣元は就労中の指揮監督が容易でないこと、派遣先にも不注意があったことなどから、5割の過失相殺を認めた。 受入側にも不注意 5割の過失相殺を 筆者:弁護士 岩本……[続きを読む]

2004.07.05 【判決日:2003.10.01】
日本アイ・ビー・エム事件(東京地判平15・10・1) 管理職の労組加入―協約の一部を解約できるか 組合員の範囲規定 独立性有し変更可能 ★
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  • 労働組合

 組合員範囲の条項の解約を通告、中間管理職を加入させた件で、組合費チェックオフ拒否などを不当労働行為でないとした都労委命令の取消しを求めた事案だが、中間管理職は使用者の利益代表者にあたらないとし、協約の一部解約は条項の独立性と一定要件のもとで許されると判示、命令の取消しを命じた。 全て解約より穏当 会社の対応は不当 筆者:弁護士 中町 誠……[続きを読む]

2004.06.28 【判決日:2003.10.24】
日本レストランシステム事件(大阪地判平15・10・24) 退職届の撤回申出を拒否、権利の濫用になる!? 承諾の意思表示で合意成立
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  • 退職
  • 退職願

 セクハラ行為が問題となった管理職が退職届を提出したものの、その後、撤回を申し入れたが拒否されたため、人事権の濫用などを理由に地位確認と賃金支払いを求めて提訴したケースで、使用者の退職承認で労働契約の解約合意が成立し、退職強要などの事実はなく権利の濫用とはいえないと棄却した。 労働契約は“解約” 先後関係が争点に 筆者:弁護士 石井 妙子……[続きを読む]

2004.01.26 【判決日:2003.10.31】
日欧産業協力センター事件(東京地判平15・10・31) 有期労働者の育児休業を拒否、雇止めしたが… 期間の定め形骸化し違法 ★
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 自動更新条項つきの1年契約社員が求めた育児休業を拒否し、その後、契約終了による雇止めとしたが、期間の定めが形骸化し、期間の定めのない契約と異ならない状態にあり、解雇は権利濫用により無効、育児休業を拒否した行為は違法として、不法行為に基づく慰謝料40万円などを認容した。 解雇は権利の濫用 育休除外相当せず 筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹……[続きを読む]

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