判決年月2004年1月の労働判例

2004.10.25 【判決日:2004.01.21】
生駒市衛生社事件(奈良地判平16・1・21) 内部通報なしに不正を告発、解雇処分は有効か 非違行為なく懲戒権の濫用 ★
ジャンル:
  • 内部告発
  • 懲戒・懲戒解雇

 清掃会社の社員が不正な産業廃棄物処理方法を、事業者に内部通報することなくマスコミに通報したことから懲戒解雇されたため、地位確認請求等を求めたもので、結果的に営業実態が改善され、真相の解明などに一定の役割を果たしたと評価し、解雇相当の非違行為もなく懲戒権の濫用と判断した。 真相解明に役立つ 営業実態の改善も 筆者:弁護士 岩本 充史 事案……[続きを読む]

2004.10.04 【判決日:2004.01.23】
日本レストランシステム事件(大阪地判平16・1・23) 法令・社内ルールを守らない管理職の格下げは… 成果主義の降格要件に該当
ジャンル:
  • 昇給昇格・降格

 スパゲッティ専門店などをチェーン展開している外食産業のマネージャーが、社内ルールを順守しないとして降格され、また配置転換、出向人事などを不当として訴えたもので、職務遂行能力に改善がみられない場合には、就業規則所定の降格要件に該当するとして差額賃金、慰謝料の請求を斥けた。 改善ない遂行能力 配転や出向も有効 筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営……[続きを読む]

2004.08.23 【判決日:2004.01.26】
明治生命保険事件(東京地判平16・1・26) 帰国1年余で退職した社員に留学費返せと提訴 貸借合意認め返還命じる
ジャンル:
  • 労働契約
  • 賠償予定

 アメリ力留学に際し「帰国後5年以内の自己都合退職の場合は費用全額返還」の誓約書に基づき、1年余で退職した社員に費用の返還を求めた事案で、「金銭消費貸借の合意」が成立しており、留学には業務性を伴わず、労基法第16条にも違反しないとしたうえ、学費部分に範囲を限定して返還を命じた。 労基法に反しない 範囲は学費分のみ 筆者:弁護士 石井 妙子……[続きを読む]

2004.08.02 【判決日:2004.01.29】
日立製作所事件(東京高判平16・1・29) 職務発明に対する「相当対価」が低すぎると控訴 初審の3.5倍強を認定
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務

 職務発明への「相当の対価」を求めた事案に対し、外国特許権の請求を除き約3500万円とした一審(東京地判平14・11・29)判断を原・被告とも不服として控訴したもので、使用者に対し従業者が譲渡する内容には外国の特許を受ける権利を含むとし、不足額を1億2800万円余と認定した。 外国特許権も含む 貢献相応の工夫を 筆者:弁護士 牛嶋 勉(経……[続きを読む]

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