判決年月2004年5月の労働判例

2011.07.11 【判決日:2004.05.19】
杉並区(学校給食業務委託)事件(東京地判平16・5・19) 学校給食の調理委託、実態は偽装請負と住民が提訴 詳細手順書は業者への指示
ジャンル:
  • 派遣

 杉並区の住民らが同区に対して、同区が委託した学校給食の調理業務は偽装請負で、公金支出は違法として契約差止めを求めた。東京地裁は告示37号に照らし、作業手順は個々の調理員ではなく受託業者に対する指示であり、学校栄養士が直接調理員に指示しても、業務管理を自ら行うことを否定すべきものではなく、独立性が欠けているとは認められないとして請求を却下……[続きを読む]

2005.02.21 【判決日:2004.05.28】
昭和電線電纜事件(横浜地裁川崎支判平16・5・28) 退職勧奨に応じたが、錯誤だったと地位確認へ 処分されると誤信して合意
ジャンル:
  • 退職
  • 退職勧奨

 退職勧奨を受けた労働者が自己都合退職したが、錯誤による意思表示を理由に、雇用契約上の権利を有する地位の確認を求めたもので、解雇事由が存在しないにもかかわらず、退職届を提出しなければ解雇処分になると誤信しての意思表示と判断、合意の動機に錯誤があったとして賃金請求を認容した。 勤務不良に当らず 解雇事由なかった 筆者:弁護士 岩本 充史 事……[続きを読む]

2005.01.24 【判決日:2004.05.11】
安川電機八幡工場事件(福岡地裁小倉支判平16・5・11) 受注減で契約期間中のパートを整理解雇したが やむを得ない事由なく無効
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 契約期間中のパートを整理解雇したところ、長勤続パートが賃金の支払等を訴えたもので、期間満了前に実施するやむをえない事由がないとして整理解雇を無効に、また雇止めの意思表示を予告に含むと解したうえ、期間の定めのない労働契約と同視できる状態で、解雇法理の類推適用により無効と判示した。 削減効果は小さい 雇止めも権利濫用 筆者:弁護士 牛嶋 勉……[続きを読む]

2005.01.10 【判決日:2004.05.20】
静岡富士カラー他2社事件(静岡地判平16・5・20) 全員採用に固執、営業譲渡の協議整わず解雇へ 偽装との労組主張を斥ける
ジャンル:
  • 企業解散
  • 整理解雇
  • 解雇

 業績不振で営業譲渡・会社解散を株主総会で決議、半数の社員をグループ子会社で採用すると提案したが、全員採用を主張する組合は面接を拒否、協議が整わずに解雇した事案で、経済合理性に基づく経営判断からの解散と認定、仮に整理解雇要件が必要としても要件を満たしていると組合の主張を斥けた。 業績悪化での解散 整理要件も満たす 筆者:弁護士 加茂 善仁……[続きを読む]

2004.12.13 【判決日:2004.05.17】
中労委(大阪証券取引所)事件(東京地判平16・5・17) 証券取引所は解散会員会社従業員の“使用者”か 支配認めた労委判断を否定 ★
ジャンル:
  • 使用者
  • 労基法の基本原則

 証券媒介会社が解散に至り、再雇用などに関する同社労組の団交要請を拒否した証券取引所の行為が不当労働行為だとの申立てに対し、証取所の使用者性を認容した労働委員会の命令の取消しを訴えたもので、判決は「雇用主と同視できる程の支配的地位にない」と認定、地労委、中労委の判断を否定した。 雇用主と同視できず 不当行為の余地なし 筆者:弁護士 中町……[続きを読む]

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