判決年月2004年9月の労働判例

2005.07.04 【判決日:2004.09.28】
大塚製薬事件(東京地判平16・9・28) 錯誤を理由に転籍・退職の意思表示無効を主張 任意による選択として棄却
ジャンル:
  • 退職
  • 退職願

 退職金割増の条件で営業譲渡先への転籍や合意退職した従業員のうち3人が、錯誤による意思表示を理由にその無効を主張し地位確認などを求めた事案で、残留の選択肢を示されなかったとしても提示条件を検討後、任意に選択したもので、二者択一での同意の表明もされていないとして訴えを斥けた。 条件検討後の決定 残留説明なくても 筆者:弁護士 石井 妙子(経……[続きを読む]

2005.06.27 【判決日:2004.09.16】
関東保温工業ほか1社事件(東京地判平16・9・16) 石綿粉じんにより悪性中皮腫で死亡と賠償請求 健康害する予見可能性ある
ジャンル:
  • 労働安全衛生法

 悪性中皮腫で死亡したのは勤務先の安全配慮義務違反による長期間の石綿粉じん吸入が原因として、転職先と併せて損害賠償を求めた。現場監督業務で健康を害する予見可能性を会社は有し、代替品使用など安全配慮・注意義務違反を認定し請求を容認。ただし転職先でのばく露はないとして請求を棄却した。 万全の措置が必要 安全配慮尽くさず 筆者:弁護士 渡部 邦……[続きを読む]

2005.06.06 【判決日:2004.09.24】
誠昇会北本共済病院事件(さいたま地判平16・9・24) 准看護師の自殺は上司のいじめ、病院に責任? 防止策怠り配慮義務違反
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務

 21歳の准看護師が上司から長期にわたるいじめを受け自殺したと両親が上司と病院に対し損害賠償を求めたもので、病院についてはいじめ防止措置を怠った安全配慮義務違反を認め、精神的苦痛に対する慰謝料500万円を認定しつつ、自殺の予見可能性は否定し死亡による損害賠償責任はないと判示した。 精神的慰謝に限定 死亡による損害賠償責任ない 筆者:弁護士……[続きを読む]

2005.05.23 【判決日:2004.09.29】
渡島信用金庫事件(札幌高判平16・9・29) 係争中に賃金仮払し就労拒否、支給分は損害か 労務の不受理で損失に相当
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 業務命令違反

 懲戒解雇処分に対する仮処分や救済命令に従わず、当該職員の就労を拒否しつつ賃金を支払い信用金庫に損害を負わせたとして出資会員が代表者を訴えた事件の控訴審で、一審が労務の対価としての賃金でないとしたのに対し、雇用契約が存続し労務提供不受理の賃金相当分3000万円強を損失と認定した。 善管注意義務違反に 信金理事に賠償命令 筆者:弁護士 中町……[続きを読む]

2005.04.11 【判決日:2004.09.29】
テサテープ事件(東京地判平16・9・29) 出向先が能力不足とクレーム、営業マンを解雇 改善の見込みはないと認容
ジャンル:
  • 職務能力
  • 解雇

 出向先から営業目標未達成などの理由で出向契約の解約を申し込まれた営業マンを、職務遂行能力の不足を理由として解雇したケース。新入社員でも達成できる計画を果たせないこと、成績向上のための会議にも欠席するなどの実態を認定、「他の職務には転換できない」として解雇を認容した。 新人にも劣る成績 職務転換は不可能 筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹……[続きを読む]

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