判決年月2005年9月の労働判例

2006.05.29 【判決日:2005.09.01】
大阪医科大学事件(大阪地判平17・9・1) 電話交換手の配転で職種限定を理由に無効確認へ 専門性低く限定の理由なし
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  • 配転・出向

 収支改善に向けた外部委託化の一環として、約30年勤務した電話交換手を配転したところ、採用時に職種限定の合意があったとして配転無効確認を請求。大阪地裁は電話交換業務の専門性は低く、職種を限定する理由は見出し難いとし、赤字を抱える大学の現状から配転の必要性を認定し、権利の濫用にも当たらないと訴えを棄却した。 業務上の必要認定 権利濫用当たら……[続きを読む]

2006.05.22 【判決日:2005.09.30】
印南製作所事件(東京地判平17・9・30) 経営悪化から貢献度評価で11人を整理解雇へ… 人員削減の必要認めがたい
ジャンル:
  • 整理解雇
  • 解雇

 経営悪化により人員削減が必要と判断し、損益分岐点から算出した余剰人員11人を、従業員の貢献度評価にそって人選し解雇したが、対象者の2人が解雇無効を主張し提訴したもの。東京地裁は7人を超える人員削減の必要性は認められないとし、十分な解雇回避努力がされていないなど整理解雇の4要件を満たさず、解雇権の濫用で無効と判示した。 機械的算出は疑問 ……[続きを読む]

2006.05.01 【判決日:2005.09.09】
ユタカ精工事件(大阪地判平17・9・9) 給与額で転職話ご破算に、退職銀行マンが訴え 契約過程で過失あり賠償を
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  • 労働契約
  • 採用内定

 知人の経営者から会社再建の協力を求められた上級管理職の銀行マンが転職のため退職したが、給与額で折り合わずご破算になり、雇用契約上の権利を有する地位確認を求め、予備的に損害賠償を請求したもので、大阪地裁は労働条件が合意されないまま推移し雇用契約は未成立としたが、契約過程の誠実義務に反する過失を認定、損害賠償を認めた。 誠実義務に反する 雇……[続きを読む]

2006.04.24 【判決日:2005.09.14】
K工業技術専門学校(私用メール)事件(福岡高判平17・9・14) 私用メール理由の懲戒解雇が無効とされたが… “重大さ”の判断で逆転容認 ★
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 服務規律違反

 業務用パソコンで私用メールや出会い系サイトへの投稿などを頻繁に行ったことを理由とする教師の懲戒解雇が無効とされた学校側が控訴した事案。懲戒解雇事由に該当としながらも、重大な服務規律違反でないとした一審に対し、福岡高裁は職務専念義務や規律維持に反し、教職員としての適格性や学校の名誉信用にもかかわるとして処分を相当とした。 送受信の半数超も……[続きを読む]

2006.04.10 【判決日:2005.09.26】
松下電器産業グループ(年金減額)事件(大阪地判平17・9・26) 退職金の一部を原資とした年金の減額分を請求 契約内容は支給方法の合意
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職年金

 退職金の一部を原資とする年金の給付利率を引き下げる措置に対し、105人の受給者から差額分を請求されたもので、大阪地裁は年金契約の実質は退職金支給方法の合意とした上、改廃条項を含む年金規程と就業規則との類似性を認定しつつ、就業規則の判例法理の解釈指針に沿って改定後の規程が受給者との契約内容になると判示、請求を棄却した。 改定の相当性認定 ……[続きを読む]

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