判決年月2007年6月の労働判例

2008.07.21 【判決日:2007.06.06】
国・中央労基署長(興国鋼索)事件(大阪地判平19・6・6) 海外出向中に副社長が過労死、労災保険を請求 月80時間もの超勤で発症へ
ジャンル:
  • 労災
  • 業務上・外認定

 米国子会社へ出向中、くも膜下出血を発症し死亡した副社長の妻が労災の遺族補償給付等を請求したが、不支給となったため処分の取消しを求めた。大阪地裁は、労働者の定着率悪化で生産力が低下した後に、責任者として月平均80時間前後の時間外労働に加えて、恒常的な土日・深夜帯の勤務に従事したことが、脳動脈瘤を悪化させ発症に至らせる過重負荷になったと認め……[続きを読む]

2008.03.24 【判決日:2007.06.28】
昭和シェル石油(賃金差別)事件(東京高判平19・6・28) 性別を理由に配置昇進で差別あったと賃金請求 努力義務規定でも不法行為 ★
ジャンル:
  • 均等待遇
  • 女性

 「女性」を理由とする賃金の差別的取扱いにつき、損害賠償を認めた原審を不服とし会社が控訴した。東京高裁は、男女間の格差に合理的理由がなければ、性の違いによるものと推認でき、会社合併による職能資格等級への移行時に正当な等級より低く格付けしたことについて、単なる訓示でなく実効性を求めた均等法の趣旨に反するとし、時効による減額を差し引いて賠償を……[続きを読む]

2008.02.25 【判決日:2007.06.15】
ゴムノイナキ事件(大阪地判平19・6・15) 会社都合扱いの要求に対し義務不存在の確認へ 勧奨後の退職で処理に誤り
ジャンル:
  • 退職
  • 退職勧奨

 業務態度を改めない従業員に退職を勧め、退職願受理後、自己都合扱いとしたところ、会社都合による退職金の支払い等を要求されたため、支払い義務不存在の確認を求め、また退職者も反訴した。大阪地裁は、退職強要ではないとしつつも、暗に解雇の可能性をほのめかし退職を促した結果で会社都合にあたると判示、自己都合退職とした事務手続きの過失を理由に退職者の……[続きを読む]

2008.01.21 【判決日:2007.06.28】
藤沢労基署長事件(最判平19・6・28) 一人親方への労災不支給、一、二審の判断不当? 法上の労働者と評価できず ★
ジャンル:
  • 労働者性
  • 労災

 作業場を持たず1人で工務店の仕事を請け負っていた大工が負傷し、労災申請したが不支給処分になったためその取消しを求めた事案の上告審。最高裁は、作業形態や専属性の程度から、工務店の指揮監督下で労務を提供していたと評価できず、報酬は、仕事の完成に対して支払われたものであり、事業者性が認められること等から原審の判断を是認した。 労務提供ではない……[続きを読む]

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