判決年月2008年5月の労働判例

2009.04.20 【判決日:2008.05.20】
日本美術刀剣保存協会事件(東京地判平20・5・20) 70歳定年の事務局長を68歳で採用、2年後解職 短期契約の合意はなく無効 ★
ジャンル:
  • 定年・再雇用
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇
  • 退職

 事務局長を70歳定年と規定する財団法人に68歳で雇用されたが、2年後に定年退職を通知されたことにつき、慣行等を理由に地位確認等を求めた。東京地裁は、採用時に契約期間の確認や事務局長就任時に任期の確認がないこと、前任者が78歳まで勤務していること等から、定年制の適用は厳格でなかったと判示。雇止めでなく恣意的な解雇に当たると請求を認容した。……[続きを読む]

2009.03.23 【判決日:2008.05.21】
学校法人実務学園ほか事件(千葉地判平20・5・21) 理事長に給与決定権、年俸制導入し4割減額 成果賃金の具体的基準なし
ジャンル:
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金・賞与

 専門学校の教員が成果主義制度と年俸制導入後に賃金が4割減額したのは、就業規則の不利益変更として差額を請求した。東京地裁は、賃金体系変更の必要性は認容したが、能力給等の具体的な決定基準がなく使用者による賃金の恣意的変更・決定を可能とする規定は相当性を欠くとし、代償措置なども一切ないことなどを指摘し、変更を無効として差額支払いを命じた。 恣……[続きを読む]

2009.03.09 【判決日:2008.05.20】
バイエル・ランクセス(退職年金)事件(東京地判平20・5・20) 退職年金廃止し一時金に、受給者へ効力及ぶか 意見一切聴かず合理性欠く
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職年金

 外資系医薬品メーカーが、終身支払う退職年金を一時金に変更したことについて、年金受給権者がその支払い義務の確認を求めた。東京地裁は、代償措置は十分だが会社の経営状況が悪いとは認められず、かつ受給者の意見を聴取していないことから制度廃止を合理的と認めることは困難で、変更に同意せず異議を唱えた1人のために年金制度を存続する義務を負うと判示した……[続きを読む]

2008.11.03 【判決日:2008.05.26】
日通岐阜運輸事件(名古屋高判平20・5・26) 週休2日で日給者が減収、補填する義務あるか 賃金増額の措置は必要なし
ジャンル:
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金・賞与

 週40時間制導入で土曜日が休日になり、出勤日減少から減収となった日給制労働者が事実上の賃金カットと主張し、会社に損害賠償を請求した。日給制放置の違法性を認めた一審(岐阜地判平19・3・28)に対し、名古屋高裁は、法改正に伴う就業規則の変更で、高度の必要性に基づく合理的な内容と認定、時短による利益もあるとして、日給額を増額すべき義務は生じ……[続きを読む]

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