判決年月2009年7月の労働判例

2010.08.16 【判決日:2009.07.16】
京都市女性協会事件(大阪高判平21・7・16) 元嘱託の一般職との賃金差額請求を一審は斥けたが 同一労働同一賃金の原則
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  • 均等待遇
  • 女性

 女性嘱託職員が、一般職との賃金格差につき同一労働同一賃金の原則等に違反するとして差額賃金を求めた控訴審。大阪高裁は一審同様、同原則を法規範として認める根拠はないと判示。一方、労基法等の基底には同一労働で賃金が均衡を欠く場合は改善する理念があるとしたが、業務の比較可能な一般職員がいないこと等から、同一価値とはいえないとして請求を棄却した。……[続きを読む]

2010.03.15 【判決日:2009.07.30】
国・相模原労基署長事件(横浜地判平21・7・30) 独立後に石綿肺がんを発症、特別加入の労災給付か 労働者時代のばく露が原因
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  • 労災

 複数の事業場で石綿ばく露作業に従事後、独立した代表取締役が肺がんを発症し、特別加入の労災保険を適用されたため処分取消しを求めた。横浜地裁は、石綿関係の法規制が強化される以前の労働者期間中にばく露した高濃度の石綿と疾病の因果関係を認定。事業場を転々としても、ばく露状況が不明な場合に限って「最終ばく露事業場」の労災保険関係を適用すべきとした……[続きを読む]

2010.01.25 【判決日:2009.07.07】
中部電力事件(名古屋地判平21・7・7) 退職後に中皮腫で死亡、安全配慮義務の発生時期は じん肺法制定で予見可能に
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  • 労働安全衛生法

 火力発電所の労働者が退職後に中皮腫で死亡したのは、石綿粉じんのばく露が原因として損害賠償を求めた。名古屋地裁は、じん肺法制定以降、粉じん業務に従事させる時点で石綿被害の予見可能性があり、安配義務を負うと判示。保護具を備え付けず、着用を指示しなかったことは義務違反に当たり、ばく露から発症までの潜伏期間等から死亡との相当因果関係を認めた。……[続きを読む]

2009.12.07 【判決日:2009.07.28】
ニコンおよびアテスト事件(東京高判平21・7・28) 請負社員がうつ病自殺、発注者へ損害賠償請求 心身の健康注意義務に違反
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  • 労災
  • 損害賠償
  • 派遣

 請負労働者が自殺したのは過重労働によるうつ病が原因として、両会社に損害賠償を求めた事案の控訴審。東京高裁は、寮に単身で居住する場合、健康状態の把握が可能な使用者側に自殺原因の立証責任があるとした。うつ病の業務起因性を認めたうえで、実態は派遣で派遣先が負う「健康を損なうことを予防する注意義務」に反すると判示。賠償額を減じた一審を取り消した……[続きを読む]

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