判決年月2010年3月の労働判例

2011.03.14 【判決日:2010.03.18】
西濃シェンカー事件(東京地判平22・3・18) 休職期間を延長し軽作業に従事させたが復職認めず リハビリは労務提供でない
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了

 脳出血で右片麻痺となった休職者が、休職期間満了後のリハビリ期間として休職期間を延長されたが満了により退職とされた事案で、東京地裁は、作業は無給で労働契約に基づく労務の提供ではなく復職とはいえないこと、退職の時点で従前の通常業務を遂行できないことは明らかで、現実的に配置可能な業務の存在も認められないことから休職期間満了による退職とした。……[続きを読む]

2011.02.14 【判決日:2010.03.26】
郵便事業(身だしなみ基準)事件(神戸地判平22・3・26) 長髪やひげ理由に人事評価下げられ損害賠償を請求 身だしなみ基準に違反せず
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 服務規律

 郵便局員が、長髪やひげを一律禁止する「身だしなみ基準」を理由に人事評価を下げられたのは違法として損害賠償を求めた。神戸地裁は、基準は労働者の利益や自由を過度に侵害しない限度で拘束力があり、顧客に不快感を与える内容に限り適用すると判示。髪などは整っているとしたうえで、違反を前提とした再三の指導は違法として慰謝料などの支払いを命じた。 「不……[続きを読む]

2010.12.13 【判決日:2010.03.24】
うつ病休職繰り返す教員を回復の可能性ないと解雇 メンタルヘルス対策に不備 J学園事件(東京地判平22・3・24)
ジャンル:
  • 病気
  • 解雇

 進学校の高校教師が、うつ病休職を繰り返し職務遂行に支障があるとして解雇された事案。東京地裁は、業務起因性は認められないとしたうえで、教員として評判がよく、復職可能との診断があったところ、休職期間の適用解釈を誤り復職が早まったうえ、主治医の意見を聴取しない等、メンタルヘルス対策の不備もあったとして、解雇はやや性急で合理的理由を欠くとした。……[続きを読む]

2010.12.06 【判決日:2010.03.30】
日本ニューホランド事件(札幌地判平22・3・30) 再雇用制度導入に反対した労組委員長のみ適用拒否 賃金の合意なく契約不成立
ジャンル:
  • 労働組合
  • 定年・再雇用
  • 退職

 再雇用制度による55歳以降の賃金減額に反対し、裁判で勝訴した少数組合の委員長が、定年到達後の再雇用を拒否された事案。札幌地裁は、再雇用拒否は無効としつつも、賃金額が合意されていないため契約は成立していないとし、地位確認・賃金請求等は棄却したものの、長年対立した委員長に対して不利益を与える目的だったと推認し、550万円の損害賠償を認めた。……[続きを読む]

2010.10.11 【判決日:2010.03.09】
ヤマガタ事件(東京地判平22・3・9) 敏腕営業の転職は競業禁止義務違反と退職金ゼロに “勤続の功”抹消や減殺ムリ
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 競業避止義務

 紙加工会社の元支店長が、退職金を請求したところ、懲戒解雇や競業禁止義務違反を理由に不支給とされたため争った。東京地裁は、退職届により雇用関係は消滅しており解雇無効と判示。転職先へ顧客を紹介し元会社の取引量を減少させるなど就業規則の懲戒事由が形式的に存在するが、不利益は小さく勤続の功を抹消、減殺するほどの背信性があるとはいえないとした。……[続きを読む]

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