判決年月2010年6月の労働判例

2011.03.21 【判決日:2010.06.29】
通販新聞社事件(東京地判平22・6・29) 他社書籍にデータ流用した編集長を解雇し社告掲載 名誉毀損で謝罪広告命じる
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇

 業界紙の編集長が、他社の書籍に同紙掲載の図表を無断使用したことなどを理由に懲戒解雇されたため効力を争った。東京地裁は、使用許諾を得ていたとしたうえで、印税収入の私物化や名声の独占など身勝手な動機はなく懲戒事由には該当しないと判示。社告での解雇の公表は名誉棄損に当たり慰謝料200万円を支払うほか、同紙とウェブ版に謝罪広告の掲載を命じた。……[続きを読む]

2011.02.28 【判決日:2010.06.23】
京都下労働基準監督署長事件(大阪地判平22・6・23) 同僚女性らのいじめでうつに、労災不支給の判断は 心理的な負荷を強度と認定
ジャンル:
  • 労災
  • 業務上・外認定

 同僚女性らのいじめにより、うつ状態となった元社員の女性が、労災不支給の取消しを求めた行政訴訟。大阪地裁は、いじめは集団で長期間継続し、内容も陰湿なことから精神障害の判断指針による心理的負荷は強度と認定。いじめに対する防止措置をとらなかったことから発症したもので、業務に内在する危険が顕在化したとして業務起因性を認め、処分取消しを命じた。……[続きを読む]

2011.01.10 【判決日:2010.06.02】
コーセーアールイー事件(福岡地判平22・6・2) 新卒者の内々定取消し、違法な解雇と損害賠償請求 採用への期待権侵害を認容 ★
ジャンル:
  • 労働契約
  • 採用内定

 採用内々定を取り消された学生が、労働契約は成立しており違法解雇などとして損害賠償を求めた。福岡地裁は、内々定を正式な内定までの間、企業が新卒者をできるだけ囲い込むものに過ぎないと規定し、労働契約の成立には当たらないとしたが、経済が悪化する危惧から内定直前に急いで取り消したもので、採用への期待権を侵害したとして100万円の支払いを命じた。……[続きを読む]

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