判決年月2012年2月の労働判例

2013.01.21 【判決日:2012.02.10】
パナソニックエコシステムズ事件(名古屋高判平24・2・10) 派遣に知識伝授させ契約打切り、賠償命じた判断は 原審の認定額を妥当と判示
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  • 派遣

 派遣労働者が専門知識を正社員に伝授したところ派遣切りされ、一審は派遣先に賠償を命じたが双方が控訴。名古屋高裁は、契約打切りに至った事態の説明責任について、道義上のものでなく法的義務と認めるのが相当とした。派遣先の不法行為責任を追認し、慰謝料も妥当と判示。地位確認請求については、違法派遣でも雇用契約成立とみなす法的根拠はないとして退けた。……[続きを読む]

2012.11.12 【判決日:2012.02.22】
学校法人加茂暁星学園事件(東京高判平24・2・22) 高校の非常勤講師を雇止め、無効とした一審判断は 解雇法理の類推適用は誤り
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 年度ごとの雇用契約で、それぞれ25年と17年勤務した高校の非常勤講師2人が、期間満了で雇止めされた事案。一審は解雇権濫用法理を類推適用し解雇無効としたが、東京高裁は、専任教員と異なり授業があるか明らかでなく、生徒数などが不透明で雇用は確約できない旨文書でも通知されており、更新の期待は合理的とはいえないと判示。一審を覆して請求を棄却した。……[続きを読む]

2012.11.05 【判決日:2012.02.27】
NEXX事件(東京地判平24・2・27) 20%減額された月給を3年受領、解雇後に差額請求 不利益変更の同意なく無効
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  • 賃金
  • 賃金請求権

 月給60万円の20%減額に異議を述べず、3年間受領した従業員が、業務命令の軽視などを理由に解雇されたことから差額を求めた。東京地裁は、不利益変更を真意に基づき受け入れたと認められる合理的理由はなく、一方的な賃金改訂を無効と判示。正社員2人のみで減額に反対することは困難で、激変緩和措置もなく黙示の合意を不成立としたが、解雇自体有効としてい……[続きを読む]

2012.10.29 【判決日:2012.02.15】
建設技術研究所事件(大阪地判平24・2・15) 3500時間働きうつ状態に、出社命じたが応じず解雇 産業医らは就労可能と判断
ジャンル:
  • 病気
  • 解雇

 年間3565時間という著しい長時間労働で抑うつ状態となり休業中の従業員が、出社命令に応じず解雇されたもので、大阪地裁は、産業医らは就労可能と診断しており、約4カ月半も正当な理由なく欠勤を続けたことは解雇事由に当たると判示。発症と業務の相当因果関係を認め、業務の負担軽減を怠ったことは安全配慮義務違反として400万円の賠償支払いを命じた。……[続きを読む]

2012.10.22 【判決日:2012.02.20】
トムス事件(札幌地判平24・2・20) 支店業務移管で配転拒むたった1人の事務員を解雇 事業縮小によりやむを得ず
ジャンル:
  • 業務命令違反
  • 解雇
  • 配転・出向

 業務移管による配転命令を拒否した地方支店の事務員が、解雇され地位確認を求めた。札幌地裁は減収に伴う経営合理化の必要性を認めたうえで、就業規則所定の解雇事由である「事業の縮小・休止」による解雇はやむを得ないとし、仮に勤務地限定採用としても無関係と判示。ひとりで行っていた事務職を廃止するため人選の余地はないとして、解雇手続きも妥当とした。……[続きを読む]

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