判決年月2012年3月の労働判例

2013.07.15 【判決日:2012.03.26】
日本ベリサイン事件(東京高判平24・3・26) 役員報酬の不正引上げ見過ごした監査室長の解雇は 信頼関係を毀損し雇用困難
ジャンル:
  • 解雇
  • 解雇権の濫用

 年俸1200万円で中途採用された内部監査室長が、取締役会の決議を経ない役員報酬の引上げを見過ごすなど、会社との信頼関係の喪失を理由に解雇された事案。一審は解雇無効としたが、東京高裁は部下との人間関係を悪化させ職務を完遂できないなど、信頼関係の毀損により室長としての雇用継続だけでなく相応の役職の幹部職員とすることも困難とし、解雇を認容。……[続きを読む]

2013.01.28 【判決日:2012.03.29】
立命館(未払一時金)事件(京都地判平24・3・29) 14年間同じ賞与月数を1カ月引き下げられ差額請求 支給基準は労働契約の一部
ジャンル:
  • 賃金
  • 賞与・一時金

 14年間も継続した賞与6.1カ月を1カ月減額された教職員らが、労使慣行が成立しているとして差額を求めた。京都地裁は、労使交渉での言動や支給実績から使用者に少なくとも年6カ月を支払う規範意識があったと判示。その範囲で労働契約の内容となっていたとしたうえで、良好な財政状況や生活給的な性格を踏まえ、減額の合理性はなく6カ月の範囲で請求を認めた……[続きを読む]

2012.12.17 【判決日:2012.03.21】
フェデラルエクスプレスコーポレーション事件(東京地判平24・3・21) クリスマスなどの所定休日廃止は無効と108人が提訴 不利益変更で合理性欠く
ジャンル:
  • 労働時間・休日
  • 就業規則の不利益変更

 クリスマスや誕生日などの所定休日を廃止する就業規則の変更について、航空貨物輸送会社の従業員108人が休日として行使できる地位の確認を求めた。東京地裁は、労働時間の増加は約2%の賃金削減と同様で不利益は大きいと判示。代償措置はなく同業他社の状況などから不利益を受忍させる高度の必要性は認められず、変更後の労働条件は合理的とはいえないとした。……[続きを読む]

2012.11.26 【判決日:2012.03.22】
フォーカスシステムズ事件(東京高判平24・3・22) うつ病で過剰飲酒し死亡、過失2割の一審判断は? 健康管理を怠り3割に増額
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

 過度のアルコール摂取で死亡したのは過重労働によるうつ病が原因として、SEの遺族が損害賠償を求めた事案の控訴審。東京高裁は一審同様、配転や月100時間を超える時間外労働など、強度の心理的負荷による疾患発症と死亡との相当因果関係を認めたが、ゲームやブログに時間を費やし睡眠不足解消の努力を怠ったとして、過失相殺割合を2割から3割に増やした。……[続きを読む]

2012.10.08 【判決日:2012.03.13】
関東工業事件(東京地判平24・3・13) 同業転職の営業マンに顧客情報持ち出され賠償請求 秘密事項として管理されず
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 競業避止義務

 同業他社に転職した営業マン4人に対し、廃材リサイクル会社が、就業規則や誓約書上の機密保持義務、競業避止義務違反として損害賠償請求を行った。東京地裁は、仕入先の情報を業務上の秘密というためにはその内容が客観的に定められ、明確に管理されていることが必要と判示。情報は誰でも閲覧でき秘密とはいえず、競業避止規定も代償措置がないことから無効とした……[続きを読む]

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