判決年月2014年7月の労働判例

2015.09.21 【判決日:2014.07.11】
医療法人光優会事件(大阪高判平26・7・11) 院長の「解散発言」や一斉メール送信で看護師を解雇 意思表示の効力認められる
ジャンル:
  • 賃金
  • 賃金請求権

 看護師ら2人が、解雇後の賃金減額は無効として未払賃金等を請求した。一審は請求をほぼ認めたが慰謝料は一部に留まったため、双方が敗訴部分の取消しを求めた。東京高裁は解雇の有無に関して、指示に従わない看護師に院長が部の解散を告げ、全職員にその旨メールで一斉送信したことは、解雇の意思表示と認定。予告手当と未払賃金に加えて、遅延利息の支払いを命じ……[続きを読む]

2015.06.22 【判決日:2014.07.09】
社会福祉法人県民厚生会ほか事件(静岡地判平26・7・9) 適応障害でセンター長解任、休職満了後は退職扱い 業務上疾病により解雇制限
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了

 上司のパワーハラスメントで適応障害を発症し、休職中に解雇されたのは不当として介護施設のセンター長が地位確認などを求めた。静岡地裁はパワハラは認めなかったが、業務の強度な精神的負担から適応障害を発症したと認定。労基法19条の解雇制限に照らし休職中の退職処分を無効として、賃金請求権を認めた。センター長からの降格は、人事権の裁量範囲で有効とし……[続きを読む]

2015.06.15 【判決日:2014.07.17】
日本政策金融公庫事件(大阪高判平26・7・17) 100時間残業でうつ病自殺、約9000万円の賠償は? 早出に業務上の必要性なし
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 月約100時間の残業でうつ病を発症し自殺したとして、配偶者らに約9000万円の賠償を命じた一審に対し、原告・被告が控訴した。大阪高裁は、早出は朝食や朝刊を読むためで業務上の必要性はないと判断。終業後の残業は約70時間で2カ月以上継続したことはなく、過重な業務ともいえないとして一審を覆して請求を斥けた。私生活での心理的負荷が原因とした。……[続きを読む]

2015.06.08 【判決日:2014.07.31】
サントリーホールディングスほか事件(東京地判平26・7・31) 上司の叱責でうつ病に、休職認められず年休消化? 心身への配慮欠き不法行為
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 上司のパワハラでうつ病と診断され休職せざるを得なくなったとして損害賠償を求めた。東京地裁は、「新入社員以下」、「馬鹿」などの発言は指導として許される限度を超えていると判断。上司が診断書をみたにもかかわらず、一時休職を認めず年休を消化するよう告げたことは心身への配慮を欠き不法行為に当たるとした。事業の執行に伴うもので使用者責任が成立すると……[続きを読む]

2015.05.18 【判決日:2014.07.10】
A住宅福祉協会事件(東京高判平26・7・10) 一審で主張しなかった懲戒解雇事由を二審で追加? 時機に後れた攻撃防御方法
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇

 業務命令違反など5つの懲戒事由を通知し解雇したところ、地位確認を求められた。一審では主に2つを解雇の根拠としたが、相当性を欠き解雇無効とされたため、代理人を変えて控訴した。二審で残りの事由を追加主張したが、東京高裁は攻撃防御方法の提出として時機に後れ、故意または重過失に当たると判断。証拠調べに時間を要し訴訟完結が遅延するとして却下した。……[続きを読む]

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