判決年月2015年12月の労働判例

2016.11.14 【判決日:2015.12.24】
富士運輸事件(東京高判平27・12・24) 運行コース別に手当支給、労基法の時間外見合い? 法定割増上回り未払いなし
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 賃金

 トラックの運行コース別に走行距離等で決まる手当が、労基法の割増賃金に当たるか争った事案の控訴審。東京高裁は、額は変動し固定残業代に当たらないとしたうえで、デジタコの記録等から法定の割増賃金との多寡を確認でき、支給額は法を上回るなど法趣旨に反しないとした。100時間の残業代に相当し問題となる可能性はあるが、未払額の判断には影響を及ぼさない……[続きを読む]

2016.10.31 【判決日:2015.12.25】
東京メトロ事件(東京地判平27・12・25) 駅係員が電車内で痴漢、逮捕され諭旨解雇の効力は 社会的影響小さく懲戒重い
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 職務外非行

 電車内の痴漢行為で逮捕され諭旨解雇された駅係員が処分無効を求めた。東京地裁は、略式命令の罰金20万円は処罰として悪質性の低い行為であり、マスコミ報道など社会的に周知もされず、企業秩序に与えた悪影響の程度は大きくないと判断。示談は成立に至らなかったが処分は重きに失するとした。懲戒委員会から弁明機会も与えられず手続きの相当性も疑義が残るとし……[続きを読む]

2016.09.19 【判決日:2015.12.03】
市進事件(東京高判平27・12・3) 「有期は50歳上限」就業規則改定し塾講師を雇止めに 年齢理由の更新拒否認めず
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 就業規則で50歳不更新制度を導入し、勤続20年の塾講師を雇止めした事案。一審で無効とされた塾が控訴した。東京高裁は、50歳で質の高い授業ができなくなるとは認められず、制度導入に高度の必要性は肯定できないと判断。10年の代償措置である満60歳までの特嘱制度廃止後も50歳を超える者が存在し、本人の評価も劣悪といえないなど雇止めに合理性はない……[続きを読む]

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