判決年月2016年1月の労働判例

2017.03.27 【判決日:2016.01.27】
X社事件(東京高判平28・1・27) 時間外と深夜含む定額残業代、月45時間超は違法? 残業月70時間分の手当有効
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 賃金

 飲食店元店員が、時間外70時間、深夜100時間分の定額残業代は、36協定の限度基準を超え無効と訴えた。一審は、労基法の割増賃金に不足した場合、別途支給する規定があり、手当額から検証可能とした。東京高裁も、法では定額残業代に対応する時間数の明示まで求めていないと判断。限度基準は絶対的上限ではなく、特別条項を無効とすべき事情もないとしている……[続きを読む]

2016.12.19 【判決日:2016.01.14】
大王製紙事件(東京地判平28・1・14) 異動拒否し懲戒解雇、「内部告発の報復」と地位確認 懲戒目的の出向命令は無効 ★
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒権の濫用
  • 配転・出向

 不正会計を内部告発した後に降格され、その後の出向命令に従わず懲戒解雇された元課長が、報復処分で無効と訴えた。東京地裁は、告発内容は伝聞や推測など証拠に乏しく、目的も経営陣失脚が狙いで正当性を欠き、名誉毀損等による降格を有効とした一方、出向は実質懲戒する趣旨で動機や目的が不当と判断。経験や適性を踏まえず出向命令権の濫用であり解雇無効とした……[続きを読む]

2016.10.10 【判決日:2016.01.26】
三菱重工業事件(東京地判平28・1・26) 病気で家族の支援必要、原職場復帰困難と配転要求 復職命令拒否での解雇有効
ジャンル:
  • 業務命令違反
  • 解雇
  • 配転・出向

 精神疾患で欠勤中に実家付近へ転居し、復職には家族の支援が必要として、通勤可能な事業所へ配転を求めたところ会社に拒否され、原職場への復職拒否により解雇された事案。東京地裁は、特殊な専門分野である技能職の配転は前例がないなど想定外と判断。生活支援は家庭の課題で、復職申出は債務の本旨に従ったものといえず、復職拒否を重大な業務命令違反とした。……[続きを読む]

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