判決年月2016年2月の労働判例

2017.11.12 【判決日:2016.02.03】
H協同組合事件(大阪高判平28・2・3) 労組と協議せず解雇、協定書に違反と地位確認請求 従事業務なく整理解雇有効
ジャンル:
  • 労働組合
  • 整理解雇
  • 解雇

 労働組合担当として入社後、従事していた業務がなくなったなどとして、整理解雇された事案。解雇手続きに関し、労組と事前協議を義務付けた協定書に反するなどと解雇無効とした一審に対し、二審は労働契約で特定された業務が確保できない状況が常態化し、人員削減の必要性や人選の合理性はあると判断。解雇予告後の団交は行き詰まり、交渉進展の見込みもなかった。……[続きを読む]

2017.07.12 【判決日:2016.02.12】
石長事件(京都地判平28・2・12) ケガで復職できず退職扱い、治ゆしたと再雇用要求 休職命令は始期を誤り無効
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了
  • 退職
  • 退職願

 ケガが治れば再雇用の約束があったとして、退職した元課長が地位確認等を求めた。休職期間満了で自然退職との会社主張に対し、京都地裁は、休職開始を欠勤後1カ月ではなく事故当日としたことは就業規則の要件を欠き無効として、定年まで約1年半の賃金を認容。再雇用を信じ退職届の提出に応じたが会社にその方針はなかったとして、退職意思表示も無効とした。 就……[続きを読む]

2017.01.16 【判決日:2016.02.22】
国立精神・神経医療研究センターほか事件(東京地判平28・2・22) 年俸制導入で賃金減、業績や貢献度不当と差額請求 評価に裁量の逸脱濫用なし
ジャンル:
  • 賃金
  • 賃金請求権

 年俸制導入に伴う業績評価の方法や結果が不当として、研究室長が差額賃金を求めた。東京地裁は、評価で論文発表を重視したり、数年かかる研究も単年評価される点につき、いかなる要素を業績、貢献度の判断基準にするかは裁量があり、目標達成度や成果から評価に裁量権の逸脱濫用はないと判断。結果は非公表だが公正・適正な人事評価に不可欠とはいい難いとした。……[続きを読む]

2016.12.05 【判決日:2016.02.25】
阪急バス事件(大阪地判平28・2・25) 勤続満4年が正社員登用試験の条件と慰謝料求める 「欠員対策」で期待権もなし
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 契約社員だった運転手3人が、正社員登用試験の受験資格として定める勤続満4年に達した直後の試験で、受験機会を与えられなかったため慰謝料を求めた。大阪地裁は、試験は正社員の欠員補充が目的で、必要人数や経営状況等を勘案し実施していたと認定。運用上は4年で必ず受験できるとは限らず、雇用契約の内容とはいえないとした。受験の期待を生じさせる言動もな……[続きを読む]

2016.11.21 【判決日:2016.02.17】
厚生年金事業振興団事件(東京高判平28・2・17) 病院経営を新機構に移行、院長不採用で整理解雇? 事業廃止からやむを得ない
ジャンル:
  • 企業解散
  • 解雇

 厚年病院の経営を委託されていた法人が契約終了に伴い院長を解雇した事案。法改正で設立された新機構が運営を引き継ぎ、職員も全員雇用されるなど、院長は整理解雇の4要件を満たさず無効と訴えた。東京高裁は、法人が存続しつつ人員削減する整理解雇とは前提が異なり、雇用契約は当然に承継されず選考による結果とした。解雇権濫用もなく、事業廃止の解雇は有効。……[続きを読む]

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