判決年月2016年4月の労働判例

2017.07.05 【判決日:2016.04.25】
ゲオホールディングス事件(東京地判平28・4・25) 団交場所で労使対立、ユニオンの希望に従うべき!? 本社意外の開催拒否は不当 ★
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  • 労働組合

 アルバイトの勤務時間延長に関する団交要求に対し、会社が、店舗やユニオンがある大阪市内での交渉を拒否して不当労働行為とされた事案。会社は本社がある愛知県での開催を求めたが、東京地裁は議題の決裁権は本社にあり主張には理由があるとしたものの、日程や出席者の代替を検討せず、労組には呼出しに応じる法的根拠を求めるなど交渉意思がないと評価した。 代……[続きを読む]

2017.04.03 【判決日:2016.04.15】
今井建設ほか事件(大阪高判平28・4・15) ビル賃貸業で家賃滞納や空室、担当者に賠償責任? 誓約書の支払約束は無効に
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 ビル賃貸業で賃料滞納や空室が続き、担当者が誓約書に基づく損害賠償責任を負うか争った。元従業員は自らの賃料横領の賠償を含む約770万円の返還を求めたが、棄却されたため控訴した。大阪高裁は、滞納等は当然予想される損害で、多額の支払いを真意で約束するとは考え難いとして請求を一部認めたが、横領は事実と推定でき約622万円の支払約束は有効とした。……[続きを読む]

2017.03.06 【判決日:2016.04.15】
メルファインほか事件(京都地判平28・4・15) 労働審判後に破産手続き、他社で事業継続し責任は 倒産は賃金支払回避が目的
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  • 賃金
  • 賃金請求権

 会社が労働審判で未払賃金の支払いを命じられた後に倒産したため、元従業員が事業の継続先や代表取締役らに対し解決金相当額の支払いを求めた。京都地裁は、債務を免れるために倒産させ、事業を継続させたもので法人格の濫用で共同不法行為と判断。被告らは親会社倒産による連鎖倒産と主張したが、資金供給など資金繰りの実態から必然的とはいえないとした。 法人……[続きを読む]

2017.01.30 【判決日:2016.04.19】
ツクイほか事件(福岡地裁小倉支判平28・4・19) 妊娠後の業務軽減要求を放置されマタハラと訴える 妊婦への健康配慮義務違反
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  • 均等待遇
  • 女性

 妊娠した介護職員が、業務軽減を求めた面談における上司の発言やその後配慮がなされずマタハラとして慰謝料を求めた。福岡地裁小倉支部は、面談で上司が業務態度の改善指導に終始したことは配慮不足で人格権侵害としたほか、面談から1カ月経っても対応をせず健康配慮義務に違反するとした。会社も就業環境の整備義務に違反し、連帯して35万円の賠償を命じた。……[続きを読む]

2016.08.29 【判決日:2016.04.27】
中央労働基準監督署長事件(東京高判平28・4・27) 海外子会社の代表病死、特別加入必要とした一審は 出張扱いで労災保険を適用 ★
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  • 労災

 病死した海外子会社の代表兼現地法人の総経理が、特別加入していなかったため労災不支給とされた事案の控訴審。東京高裁は、一審を覆し、国内事業場の指揮命令に従う海外出張者と認定。業務遂行に当たって本社に日々連絡して指示を仰ぐなど決定権限は本社にあったこと、出勤簿を東京営業所に提出し労務管理に服していたことなどから、国内の保険関係に基づき給付の……[続きを読む]

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