判決年月2019年5月の労働判例

2021.06.03 【判決日:2019.05.27】
長崎市立病院機構事件(長崎地判令元・5・27) 医師の勉強会や文献調査した時間に残業代請求 自己研さんの一部は“労働”
ジャンル:
  • 労働時間

 亡くなった医師の遺族が、勉強会や文献調査などの時間に割増賃金等を求めた。長崎地裁は、個々の業務との関連性を検討したうえで判断。勉強会の講義や準備時間を労働時間とした一方で、疾患や治療方法の文献調査(自己研さん)のうち、担当患者に関する調査は労働時間、それ以外の専門分野は労働時間に該当しないとしている。客観的な記録がなく病院の滞在時間の9……[続きを読む]

2021.04.22 【判決日:2019.05.21】
アルパイン事件(東京地判令元・5・21) 60歳から単純事務作業は「屈辱」と損害賠償請求 定年後の条件不合理でない
ジャンル:
  • 定年・再雇用
  • 退職

 60歳定年後も音響機器の開発業務を希望していたにもかかわらず、単純な事務作業を提示され屈辱感を受けたとして損害賠償等を求めた。東京地裁は、高年法は労働者が希望する条件で継続雇用等を義務付けていないと判断。賃金額には同意しており、勤務場所、職務内容も「客観的にみて不合理」とはいえないとしている。継続雇用を拒否した理由は主観的なものにとどま……[続きを読む]

2020.03.12 【判決日:2019.05.31】
三村運送事件(東京地判令元・5・31) 高速道路のSA滞在中も貨物監視し労働時間? 業務から解放されて「自由」 
ジャンル:
  • 仮眠時間
  • 労働時間

 トラックの長距離運転手が、サービスエリアの滞在時間も、顧客対応や荷物を常時監視するなど労働時間と主張して、割増賃金等を求めた。東京地裁は、車内で睡眠や飲酒したり、外へ出て入浴や食事などしており、業務から解放されて自由に利用できる状態とした。貨物を監視する規定や具体的指示はなく、荷物は重量物で盗難の可能性は低いなど、常時監視が義務付けられ……[続きを読む]

2020.02.06 【判決日:2019.05.31】
社会福祉法人札幌明啓院事件(札幌地判令元・5・31) “支配介入”を会社否定、労委が即時救済求める 配転禁じる緊急命令を発令
ジャンル:
  • 労働組合

 組合書記長の配転を支配介入であり不当とした労働委員会の救済命令に会社が従わず、労委が強制的に履行を求める「緊急命令」の発令を求めた。会社は、救済命令の取消訴訟を提起していた。札幌地裁は、労使紛争は長期化し悪化の一途をたどっており、労組の団結権侵害が著しく進行し、回復困難な損害が生じるおそれがあるとして、緊急命令を発令。罰則付きで履行を義……[続きを読む]

2020.01.23 【判決日:2019.05.30】
中央学院事件(東京地判令元5・30) 非常勤講師が手当や賞与なし不合理と賠償請求 「基本給3分の1」も認める
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 非常勤講師が、専任教員との基本給に約3倍の差があり、家族手当や賞与などもないのは不合理と損害賠償を求めた。東京地裁は、職務内容や責任に相違があるうえ、他校の賃金水準より低いといえず団交で待遇は改善されていたと評価。幅広い業務に応じた責任を負う専任教員にふさわしい有為な人材を確保する必要性があり、家族手当などを手厚くすることも合理性がない……[続きを読む]

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