判決年月2019年12月の労働判例

2021.06.24 【判決日:2019.12.24】
恩賜財団母子愛育会事件(東京高判令元・12・24) 管理監督者でなく割増を、管理職手当は返還!? 付加金命じた部分取り消す
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  • 割増賃金
  • 賃金

 割増賃金の支払いを求められた病院が、管理職手当の受給資格がないと返還を求めた。手当返還に関して争った東京高裁も病院の不当利得返還請求は理由があるとしたうえで、一審で付加金を命じた部分を取り消した。一審後に病院は管理監督者でないことを認めて割増賃金の一部を弁済し、受領を拒絶された部分を供託していた。円満解決を図るため医師と交渉の機会を持っ……[続きを読む]

2020.11.26 【判決日:2019.12.12】
レインズインターナショナル事件(東京地判令元・12・12) 100時間の固定残業代、公序良俗違反で無効? 繁忙期に差額支払われ有効
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  • 割増賃金
  • 賃金

 深夜割増を含む計100時間分の固定残業代を支払っていた飲食店の店員が、公序良俗違反で無効と訴えた。東京地裁は、当時の限度基準告示を大きく上回るが、直ちに違法等とはいえないと判断。時期により残業数に大きな差があるものの、超過部分は差額が支払われたことなどから賃金体系上も残業代の対価と認めた。勤怠システムの休憩時間は実態を反映しておらず、取……[続きを読む]

2020.11.05 【判決日:2019.12.16】
中労委(学校法人Y)事件(東京地判令元・12・16) 発注者の苦情で解雇、事実無根と直に団交要求 雇用終了への支配力認めず ★
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  • 労働組合

 警備中に大学の職員へセクハラをした事実はないとして、警備員が大学に謝罪等の団交を求めたが拒否された事案。不当労働行為ではないとした中労委命令の取消しを求めた。警備会社は解雇したがその後撤回した。東京地裁は団交の議題である雇用終了の決定について、大学は雇用主と同視できるほど現実的かつ支配力を有していないと判断して請求を斥けた。偽装請負も否……[続きを読む]

2020.10.22 【判決日:2019.12.19】
北海道二十一世紀総合研究所ほか事件(札幌高判令元・12・19) うつ病は労災、配慮怠ったと賠償命じた一審は 長時間労働のみで予見困難
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  • 労災
  • 安全配慮義務

 月100時間超の残業などでうつ病を発症したとして労災認定された研究員が、会社に損害賠償を求めた事案の控訴審。請求を認めた一審に対して札幌高裁は、業務の質や量は過大といえず裁量性もあること、業務が困難と上司らへ申告相談がなかったことも踏まえ、長時間労働のみをもって発症を予見できないと判断。担当は調査業務のみで業務量を減らすのも困難としてい……[続きを読む]

2020.09.10 【判決日:2019.12.12】
経済産業省事件(東京地判令元・12・12) 性自認は女性、トイレ一部使用できず賠償請求 性同一性障害 制限は違法
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  • 労基法の基本原則
  • 均等待遇
  • 女性

 戸籍上の性別が男性で、自らを女性と認識するトランスジェンダーの職員が、女性トイレの使用を制限されたため損害賠償を求めた。東京地裁は、自認する性別に即した社会生活を送ることは重要な法的利益と判示。性同一性障害と診断後、ホルモン投与により女性に性的な危害を加える可能性は低く、外見も踏まえたうえで、使用制限を違法と判断した。企業の取組みにも変……[続きを読む]

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