判決年月2020年7月の労働判例

2021.05.27 【判決日:2020.07.21】
学校法人奈良学園事件(奈良地判令2・7・21) 学部廃止で解雇や雇止めされた教員が地位確認 職種限定も整理解雇は無効
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  • 整理解雇
  • 解雇

 大学の学部廃止に伴い解雇、雇止めされた教授や専任講師らが地位確認を求めた。奈良地裁は、職種限定で雇用されたとしても整理解雇法理の適用は排除されないと判断。異動は不可能といえず、総人件費引下げの努力もなく解雇回避努力を尽くしたとは認めなかった。経営破たんなど逼迫した財政状態にはなく、労組と協議が尽くされたともいえないなど4要素を欠くとした……[続きを読む]

2021.03.25 【判決日:2020.07.20】
淀川交通事件(大阪地決令2・7・20) 性同一障害の運転者、就労拒否され賃金請求 化粧理由に乗務禁止は不当
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  • 賃金
  • 賃金請求権

 性同一性障害のタクシードライバーが、化粧を理由に乗務を禁じられたとして、賃金の仮払いを求めた。大阪地裁は、女性と同等に化粧することを認める必要性があると判断。化粧の濃さなどを問題視せず就労を拒否したことに必要性も合理性もなく、民法に基づき賃金100%の支払いを命じた。会社が主張した乗客の苦情の有無は明らかでなく、会社が不利益を被るとは限……[続きを読む]

2021.03.04 【判決日:2020.07.09】
損害賠償請求事件(最一小判令2・7・9) 交通事故で障害負う、賠償金毎月受け取りたい 一時金でなく定期払い命ず ★
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 交通事故で脳挫傷を負った子の両親が、保険会社らに月1回の定期的な損害賠償の支払いを求めた事案の上告審。一時金の場合は利息控除の減額があった。最高裁は、損害の実態に即した公平な賠償を実現する観点から相当と認められる場合に、逸失利益は定期払いの対象になると判示。後遺障害の程度など事情が著しく変化したときは、損害額のかい離を是正するための訴え……[続きを読む]

2021.02.25 【判決日:2020.07.02】
損害賠償請求事件(大阪地裁堺支判令2・7・2) 国籍を誹謗中傷する文書配布され違法と訴える “差別受けるおそれ”に賠償
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 社内の配布文書で国籍を誹謗中傷されたとして、会社らに損害賠償を求めた。会社は教育の一環としていた。裁判所は、差別的取扱いを受けるのではないかとおそれを抱いて然るべきと判断、また文書の配布態様から人格的利益の侵害とした。文書の内容は著しい侮辱と感じられ名誉感情を害するもので、かつ、反復継続して大量に配布し、口頭で自由に意見することも困難だ……[続きを読む]

2021.01.21 【判決日:2020.07.20】
日本貨物検数協会事件(名古屋地判令2・7・20) 「違法な偽装請負」で派遣先へ直接雇用申し込む 法の適用免れる目的と認定
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  • 派遣

 港湾貨物を確認する検数業務を請け負っていた会社の労働者らが、違法な偽装請負であるとして派遣先に直接雇用を求めた。名古屋地裁は、偽装請負の状態は約10年間に及ぶなど客観的な事情から、派遣法等の適用を免れるための脱法目的と認定。派遣可能期間を超えて熟練労働者を派遣していた。なお、偽装請負の解消から1年以上経過しており、みなしの効力は認めなか……[続きを読む]

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