判決年月2021年12月の労働判例

2023.11.24 【判決日:2021.12.13】
バークレイズ証券事件(東京地判令3・12・13) 外資系金融の部長解雇、高報酬で地位不安定!? 人員削減する必要性認めず
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  • 整理解雇
  • 解雇

 外資系金融機関の部長が、専任のポジションの廃止に伴う退職勧奨を拒否して解雇されたため、地位確認等を求めた。会社は、高報酬ゆえ地位が不安定などと雇用慣行を強調したが、東京地裁は、整理解雇を無効とした。職位廃止と解雇の必要性は別次元の問題で、人員削減の必要性を否定した。地位や職種限定の合意は認められず、降格や賃金減額など解雇回避努力も怠った……[続きを読む]

2022.10.27 【判決日:2021.12.27】
浜田事件(大阪地裁堺支判令3・12・27) 賃金規程や契約書なし、外勤手当は割増賃金? 固定残業代の個別合意有効
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  • 割増賃金
  • 賃金

 就業規則に明記のない固定残業代は無効として割増賃金等の支払いを求めた事案で、大阪地裁堺支部は制度を有効と判断した。就業規則はあるが賃金規程も雇用契約書もなかった。外勤手当が残業代見合いであることは入社時や年2回の面談を通じて割増単価の計算式に関する図表を表示し説明していたとしたうえ、本人から質問はなかったことなどから理解、合意していたと……[続きを読む]

2022.10.13 【判決日:2021.12.22】
ユナイテッド・エアーラインズ事件(東京高判令3・12・22) 成田事業場を閉鎖、整理解雇有効の一審判断は 可能な限り回避措置講じる
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  • 整理解雇
  • 解雇

 航空会社の客室乗務員が、整理解雇されたため地位確認等を求めた事案の控訴審。国際線の業務量が減り、所属する成田ベースが閉鎖された。東京高裁は、契約で職種を限定している中で、年収水準を維持した配転の提示や早期退職に伴う退職金の加算など解雇の不利益を緩和する可能な限りの回避措置を講じたと評価。団交を複数回行うなど整理解雇4要素に照らしても解雇……[続きを読む]

2022.09.01 【判決日:2021.12.23】
日東電工事件(広島地裁福山支判令3・12・23) 退職日の日付なし、合意していないと地位確認 受理承諾され“撤回”認めず
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  • 退職
  • 退職願

 退職願を提出した従業員が、退職希望日の日付を入れず無効であり、また後日撤回したとして地位確認を求めた。裁判所は、届出の内容から労働契約を終了させる意思は明らかとした。退職願の返還を求めておらず行動が整合しないなどとして撤回も認めなかった。部長が退職を承認し、電話で退職願を受理したことを伝えており、合意解約は成立したとしている。 辞める意……[続きを読む]

2022.08.12 【判決日:2021.12.21】
日立製作所(退職勧奨)事件(東京地判令3・12・21)社外転身促す研修受講命じられ損害賠償求める 再度の退職勧奨違法性なし
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  • 退職
  • 退職勧奨

抗議を受けて中止 降格は関連性否定 筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議) 事案の概要  労働者甲は、平成7年4月に会社と期間の定めのない労働契約を締結し、20年4月には主任技師(課長相当職)に昇格した。その後、甲は、26年5月から休職し、29年1月に復職した。甲は、復職後および平成29年度の初めごろにそれぞれ個人目標の売上げを設定した……[続きを読む]

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