判決年月2022年6月の労働判例

2023.06.08 【判決日:2022.06.23】
関西新幹線サービック事件(大阪地判令4・6・23) コロナ禍に有給の自宅待機認められず慰謝料!? 出勤命令は裁量権の範囲内
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 コロナ禍で有給の自宅待機とされた日を出勤日に変更された従業員が、感染の危機にさらされたとして慰謝料等を求めた。大阪地裁は、一定のルールに基づき待機の日を割り当てたことに裁量権の逸脱濫用は認められないと判断。労働者に待機を求める権利はなく、出勤指示は重い負担や不利益を課すものでないとした。臨時に出勤を命じることがあると組合と協定していた。……[続きを読む]

2023.06.01 【判決日:2022.06.29】
インテリム事件(東京高判令4・6・29) 固定残業代含む年俸額減額、本人同意は不要? 年俸決定権限の濫用で無効
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  • 割増賃金
  • 就業規則
  • 賃金
  • 賃金・賞与

 在職中、3度にわたり年俸を減額された元従業員が、同意がなくても固定残業代の減額は有効とした一審を不服として控訴した。一審は職務給の減額のみ無効としていた。東京高裁は、年俸決定権限の濫用に当たり違法と判断。評価、査定の運用は合理性や透明性を欠き、公正性に乏しいとしている。残業時間が少ないなどの理由で固定残業代を自由に減額できないとした。……[続きを読む]

2023.04.27 【判決日:2022.06.22】
グッドパートナーズ事件(東京地判令4・6・22) 更新確定メール送ったが問題行動ありと雇止め 2カ月更新の取消し認めず
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 介護福祉士である派遣労働者が、2カ月で雇止めされ地位確認等を求めた。会社は更新確定のメールを送信したが、その後業務の報告相談を怠ったとして取り消した。東京地裁は、更新に強い期待が認められ、雇止めする合理的理由もないと判断。会社は言動を注意指導せず更新しない事情と捉えていたとはいえない。長期の契約は予定されず2度目以降の更新は認めなかった……[続きを読む]

2023.02.09 【判決日:2022.06.06】
国・中労委(セブン-イレブン・ジャパン)事件(東京地判令4・6・6) フランチャイズ契約で団体交渉応諾義務あるか 労務供給せず労働者性なし ★
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  • 労働組合

 コンビニのFC加盟店で組織する労働組合が、労組法上の労働者に当たらないとした中労委命令の取消しを求めた。東京地裁は、FCシステムの提供事業者と加盟事業者の関係に過ぎず、労務供給関係にないとして労働者性を否定。加盟店の経営は独自の責任と手腕で行われ、事業組織への組入れや労務提供の在り方が一方的、定型的に定められているとはいえないとした。……[続きを読む]

2023.01.19 【判決日:2022.06.22】
兵庫県警察事件(神戸地判令4・6・22)機動隊員への叱責はパワハラと損害賠償求める 個人に殊更厳しい指導違法
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  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

 うつ病を発症して自殺した機動隊員の遺族が、先輩らにパワハラを受けたとして損害賠償を求めた。神戸地裁は、単純ミスを繰り返した隊員への叱責は、他者への指導と比べ殊更厳しかったと認定。強い叱責も許容されるが、大声で怒鳴るなど態様を暴言と評価した。指導方法の変更を検討すべきとしている。慰謝料支払いを命じたが、発病等との相当因果関係は否定した。……[続きを読む]

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