判決年月2022年12月の労働判例

2023.08.03 【判決日:2022.12.26】
伊藤忠商事ほか1社事件(東京地判令4・12・26) 退職申出後、機密情報を私的に保存したとクビ 漏えいないが懲戒解雇有効
ジャンル:
  • 守秘義務違反
  • 懲戒・懲戒解雇

 退職直前に機密情報をクラウドにアップロードしたとして、懲戒解雇された商社マンが企業年金基金に退職金支払等を求めた。東京地裁は、情報漏えいもなく会社に金銭的損害は生じていないが、機密情報を不正に目的外に利用したとして懲戒解雇相当と判断。退職金不支給もやむを得ないとした。会社が情報を区分して管理しておらず、不正競争防止法には反しないとした。……[続きを読む]

2023.07.27 【判決日:2022.12.23】
東海交通機械事件(名古屋地判令4・12・23) 先輩から暴力受けケガ、病気も発症と賠償請求 パワハラ放置で会社に責任
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

 先輩からの暴力で後遺症が残り、適応障害等を発症したとして、加害者と対応を怠った会社に対し、慰謝料等を求めた。名古屋地裁は、書類作成のミスに関して退職を迫る言動や暴力等は指導を逸脱したパワハラと認めたうえ、注意指導の過程で頭を叩くなどの暴行は上司の所長らも認識し得たことから安全配慮義務違反とした。加害者と会社に連帯して賠償支払いを命じた。……[続きを読む]

2023.07.13 【判決日:2022.12.15】
阪神電気鉄道事件(大阪地判令4・12・15) 年休の取得認められず欠勤控除、減額分を請求 適法な時季変更で賃金不要
ジャンル:
  • 年休

 年休の時季変更権を行使された乗務員が、出勤しなかったところ賃金を控除されたため違法と訴えた。大阪地裁は、会社は代替勤務者を確保して一定数の年休申請を認めており、これ以上は通常の配慮をしても勤務割を変更できなかったとして、時季変更権の行使を有効と判断。年休を付与すると公休日に出勤を命じられる人が出るなど、労使合意に反することも考慮した。……[続きを読む]

2023.06.29 【判決日:2022.12.02】
桜美林学園事件(東京地判令4・12・2) 専任教員のみ手当支給され均衡欠くと賠償請求 扶養手当なし不合理でない
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 非常勤教員らが専任教員との間に扶養手当や住宅手当、期末手当に関し不合理な待遇差があるとして損害賠償を求めた。東京地裁は、扶養、住宅手当を生活保障および福利厚生の趣旨で支給するものと認定したうえで、職務内容や兼職禁止に相違があると指摘。継続勤務が想定されるとの原告主張を考慮しても、不合理でないとした。賞与が持つ性質も大きな差異があるとした……[続きを読む]

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