判決年月2023年5月の労働判例

2024.10.31 【判決日:2023.05.31】
医療法人社団A事件(東京高判令4・5・31) セクハラで退職者続出、行為繰返す管理職クビ 改善期待できず解雇不可避
ジャンル:
  • セクハラ
  • 女性

 管理職からセクハラを受けたとして事務職員が退職したことから、医療法人が加害者である次長を解雇した事案の控訴審。東京高裁も解雇は社会通念上相当とした。注意指導後も行為は繰り返され、職場環境を著しく害したと判断。セクハラの意図はないという弁明は自覚に欠け、改善の期待は困難とした。他の診療所の事務職員も全員女性で、解雇回避措置としての配転も困……[続きを読む]

2024.10.10 【判決日:2023.05.19】
学校法人玉手山学園事件(京都地判令5・5・19) 学生から低い評価だった非常勤講師の更新拒否 雇用継続への期待が上回る
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 1年契約を4回更新して雇止めされた非常勤講師が、地位確認等を求めた事案。京都地裁は、非常勤講師の更新期待が高いとはいえないが、学生のアンケート結果が他の教員に比べて悪いことを雇止めの理由として評価することは妥当といえず、雇止めを無効とした。指導能力や勤務態度を判定する仕組みが設けられていないなど、雇止めの理由は全く採用できないとしている……[続きを読む]

2024.08.08 【判決日:2023.05.29】
カーニバル・ジャパン事件(東京地判令5・5・29)コロナ禍で人員削減、整理解雇は認められるか 希望退職募集なくても有効
ジャンル:
  • 整理解雇
  • 解雇

 新型コロナウイルスの影響でクルーズ船が運航できず人員削減が必要になり、会社が退職勧奨に合意しなかった7人を解雇した事案。東京地裁は、整理解雇としたうえで、希望退職者を募集しなかったことをもって解雇回避努力が不十分とはいえないとした。部門で枢要な人員が退職するおそれがあるとした。雇調金を受給しても人件費5割減の目標を達成できる状況ではなか……[続きを読む]

2024.07.24 【判決日:2023.05.24】
スカイコート事件(東京地判令5・5・24) 転職するため経理データ持ち出したと懲戒解雇 秘密保持違反で退職金なし
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職金

 退職の意思表示後に経理財務データを持ち出したとして、懲戒解雇された経理部長代理が退職金を請求した。東京地裁は、持ち出したデータが就業規則上の「重大な機密」に当たり、持出行為は功労報償を完全に減殺するとして請求を退けた。不正競争防止法のように、秘密の範囲を限定的に解する必要はないとして、懲戒事由の範囲を規定した就業規則の合理性を肯定できる……[続きを読む]

2024.03.07 【判決日:2023.05.25】
ファミリーマート労委命令取消請求事件(東京地判令5・5・25) コンビニ店長と団体交渉拒否、不当労働行為か 労組法の労働者とは認めず 
ジャンル:
  • 労働組合

 コンビニ店長らで組織する労働組合が、団交拒否を不当でないとした中労委命令の取消しを求めた行政訴訟。東京地裁は、労組法の労働者には当たらないとした。会社は、加盟店の店長らを労働力として確保する目的や権限を有しておらず、組織への組入れを否定。加盟店には従業員の雇用に裁量があるなど顕著な事業者性があったと認めた。報酬は労務提供の対価といえない……[続きを読む]

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