『内部告発』の労働判例

2025.02.27 【判決日:2024.04.26】
大津漁業協同組合事件(水戸地判令6・4・26) 週刊誌へ内部告発、虚偽の情報と普通解雇処分 信用低下は限定的で無効に
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 虚偽の情報を記者に伝えて記事を掲載させたとして、職員を普通解雇した事案。水戸地裁は、漁協がデータを改ざんしたとの記事による信用低下は、仮にあるとしても限定的で解雇無効とした。職員が、県の検査結果が訂正された書面をみて、不正の疑念を抱くことは不合理といえず、取材に応じ書面等を提供したことをもって、故意に虚偽情報を提供したとはいえない。 疑……[続きを読む]

2021.03.18 【判決日:2020.03.25】
学校法人追手門学院事件(大阪地判令2・3・25) “懲戒解雇は無効”と訴えられた大学が普通解雇 直ちに解雇処分は重過ぎる
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 大学のセクハラ対応をめぐり、学外に情報を漏えいしたとして、名誉毀損などで懲戒解雇された教授らが地位確認を求めた。その後、大学は予備的に普通解雇した。大阪地裁は、30年以上処分歴がなく懲戒解雇を無効としたうえで、著しい勤務不良など普通解雇事由は認められず、減給など将来を戒めずに行われた解雇を重過ぎるとした。「時機に後れた」普通解雇との主張……[続きを読む]

2018.01.25 【判決日:2017.03.29】
公立大学法人岡山県立大学ほか事件(岡山地判平29・3・29) 「入試結果改ざん」と報道され内部告発者を停職 情報提供理由の懲戒は無効
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 入試の採点で不正があったと報道され、先だって内部告発していた教授を「情報提供者」として停職とした事案。処分の違法性を争った。大学の名誉や信用を失墜させたとの懲戒理由について岡山地裁は、仮に情報提供者としても、告発内容は採点関係者の供述と符合し、不正を信じる正当な理由があったと認めて処分無効とした。情報提供の目的は公益性を有するとした。……[続きを読む]

2015.09.14 【判決日:2015.01.14】
甲社事件(東京地判平27・1・14) 不衛生な弁当屋と保健所へ通報、パートを懲戒解雇 正当な内部告発であり無効
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 「不衛生な弁当屋」と保健所に通報したパートを、虚偽を理由に懲戒解雇したところ、地位確認を求められた。東京地裁は正当な内部告発かは通報の根幹部分の真実(相当)性、目的の公益性などを考慮するとしたうえで、立入検査で15項項目の衛生指導がなされ虚偽といえるかは疑問であり、目的は食中毒防止であることなどから、解雇に客観的合理的理由はないとした。……[続きを読む]

2011.11.14 【判決日:2011.08.31】
オリンパス事件(東京高判平23・8・31) 取引先の社員引き抜く上司を社内通報したら配転に 制裁的な意図で人事権濫用 ★
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 配転・出向

 営業社員が、上司らによる取引先社員の引抜き行為を、社内コンプライアンス室へ通報した結果、3度も配転させられたのは無効と訴えた事案。一審は棄却したが東京高裁は、配転に業務上の必要性はなく、個人的な感情に基づくと判示。47歳で未経験の職種に異動させ昇格や昇給の機会を失わせたのは、不利益取扱いを禁じた社内規定に反し、人事権濫用とした。 業務上……[続きを読む]

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