『労働契約上の権利義務』の労働判例

2024.10.17 【判決日:2023.04.14】
ゆうちょ銀行事件(水戸地判令5・4・14) 約10年前に受けた嫌がらせ違法と1億円求める 職場環境の配慮を会社怠る
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 約10年前に受けた上司からの退職強要等の嫌がらせは違法として、退職した元従業員が会社に対し1億円の損害賠償を求めた。水戸地裁は、請求権の一部は時効消滅していないとしたうえ、退職勧奨の言動は社会通念に照らし度が過ぎたと判断。職場環境配慮義務違反の債務不履行を認めた。髪型をいじった別の上司の行為も制止すべきだったとして、計50万円の慰謝料を……[続きを読む]

2024.08.29 【判決日:2023.10.22】
医療法人社団Bテラス事件(東京高判令5・10・22) 休憩室を秘密録音、陰口言った院長へ賠償請求 揶揄する会話が不法行為に
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 職員の歯科医師が控室を秘密裏に録音したところ、院長らに揶揄されていたことから、不法行為に当たる等として損害賠償を求めた事案の控訴審。東京高裁は、院長の地位や立場を考慮すると名誉を毀損し侮辱する内容の会話に興じることは就業環境を害するとして、一審判決を変更して慰謝料の支払いを命じた。秘密録音は、著しく反社会的な手段とはいえないとして証拠能……[続きを読む]

2024.05.23 【判決日:2023.01.25】
伊藤忠商事・シーアイマテックス事件(東京高判令5・1・25) 海外出張中の交通事故、大ケガ負って賠償請求 日本法適用して不法行為に
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 海外出張中の交通事故で重い障害が残ったことから、出張を命じた出向先の総合商社らに対し損害賠償を求めた事案の控訴審。一審はマレーシア法を準拠法として請求を棄却した。東京高裁は、1週間と短期の出張中の事故で、労務提供に密接な関係がある日本法を準拠法として、民法に基づき出向先の使用者責任を認めた。なお、事故は予見できず安全配慮義務違反は否定し……[続きを読む]

2023.10.26 【判決日:2022.11.24】
新潟市(市水道局)事件(新潟地判令4・11・24) 組織改編し未経験業務に、指導不十分で自殺? 職場環境改善する義務怠る
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 組織改編で未経験業務となった市職員が自殺したのは、パワハラでうつ病になったためとして、遺族が損害賠償を求めた。新潟地裁は、上司らが必要な指導をしたり、職場環境を改善し質問しやすい環境を構築すべき注意義務を怠ったと判断。上司は、職場の雰囲気や職員が悩みを相談しない性格であることを認識し得たとした。業務でうつ病を発症したとは認定しなかった。……[続きを読む]

2023.07.27 【判決日:2022.12.23】
東海交通機械事件(名古屋地判令4・12・23) 先輩から暴力受けケガ、病気も発症と賠償請求 パワハラ放置で会社に責任
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 先輩からの暴力で後遺症が残り、適応障害等を発症したとして、加害者と対応を怠った会社に対し、慰謝料等を求めた。名古屋地裁は、書類作成のミスに関して退職を迫る言動や暴力等は指導を逸脱したパワハラと認めたうえ、注意指導の過程で頭を叩くなどの暴行は上司の所長らも認識し得たことから安全配慮義務違反とした。加害者と会社に連帯して賠償支払いを命じた。……[続きを読む]

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