『労基法の基本原則』の労働判例

2024.11.28 【判決日:2023.05.11】
社会福祉法人紫雲会事件(東京高判令5・10・11) 定年後は賞与なし、差別でないとした一審は? 責任異なり不支給を認める
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 定年・再雇用
  • 退職

 定年後の嘱託職員が、期末・勤勉手当の請求を棄却した一審を不服として控訴した事案。東京高裁も、不支給は不合理とはいえないと判断。正規職員とは業務負担と責任に差異があり、手当には正規職員の勤続の奨励も含むうえ、定年時の8割の基本給が支給されていたことを考慮した。不支給は有期雇用を理由としたものではないとした。扶養手当に関する請求も退けている……[続きを読む]

2023.10.12 【判決日:2023.05.24】
社会福祉法人B事件(山口地判令5・5・24) 子ども手当新設して正職員の扶養手当廃止は? 格差是正目的の変更で有効
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 給与規程の変更で扶養手当等が減少した正職員が、不利益変更は無効と主張して差額賃金を求めた。山口地裁は、パート・有期雇用労働法改正に対応するため非正規職員も対象になる子ども手当等を新設したもので、正職員の人件費を手当の原資に充てることの合理性・相当性を認めた。原告らの賃金の減額率は数%で、激変緩和措置を1年から2年間実施したことも考慮した……[続きを読む]

2023.06.29 【判決日:2022.12.02】
桜美林学園事件(東京地判令4・12・2) 専任教員のみ手当支給され均衡欠くと賠償請求 扶養手当なし不合理でない
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 非常勤教員らが専任教員との間に扶養手当や住宅手当、期末手当に関し不合理な待遇差があるとして損害賠償を求めた。東京地裁は、扶養、住宅手当を生活保障および福利厚生の趣旨で支給するものと認定したうえで、職務内容や兼職禁止に相違があると指摘。継続勤務が想定されるとの原告主張を考慮しても、不合理でないとした。賞与が持つ性質も大きな差異があるとした……[続きを読む]

2023.02.24 【判決日:2022.03.28】
東京芸術大学事件(東京地判令4・3・28) 約20年契約更新した非常勤講師を雇止め有効か 労契法上の労働者性認めず
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 有期労働契約を更新されず雇止めされたとして、非常勤講師が地位確認を求めた。委嘱契約を約20年間更新されていた。東京地裁は、労働契約法の労働者に該当しないとして請求を退けた。授業内容の策定等の指揮命令を受けず、遅刻早退の賃金控除や保険料の徴収もなかったほか、大学の本来的業務に不可欠な労動力として組み込まれていなかったことも考慮している。……[続きを読む]

2023.02.02 【判決日:2022.03.15】
リクルートスタッフィング事件(大阪高判令4・3・15) 有期派遣スタッフは交通費なく不合理な待遇? 手当不支給の仕事自ら選択
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 派遣

 通勤手当の支給がない登録型の派遣スタッフが、労契法旧20条の不合理な労働条件として損害賠償を求めた事案。一審は請求を退けた。大阪高裁は、短期雇用であり配転の可能性は少なく、手当が支給される業務を選択できたことなどから控訴を棄却した。通勤交通費の負担を考慮して時給を設定し、競合他社と比べて高めに設定したことも不合理性判断の要素としている。……[続きを読む]

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