『守秘義務違反』の労働判例

2023.12.07 【判決日:2022.11.16】
日本クリーン事件(東京高判令4・11・16) 労働組合へ相談し情報漏えいしたと諭旨退職に 懲戒処分相当でも重過ぎる
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  • 懲戒・懲戒解雇

 マンション清掃中のトラブルを社外労組へ相談した組合員に対し、顧客情報の漏えいを理由とした諭旨退職を無効とした事案の控訴審。組合HPで委託元の名称等が表示されていた。東京高裁は、重大な非違行為だが会社の社会的評価への影響は限定的等として処分は重きに失し無効とした。組合員は守秘義務に基づき企業名等を匿名化する注意義務を負っていたとしている。……[続きを読む]

2023.08.03 【判決日:2022.12.26】
伊藤忠商事ほか1社事件(東京地判令4・12・26) 退職申出後、機密情報を私的に保存したとクビ 漏えいないが懲戒解雇有効
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  • 守秘義務違反
  • 懲戒・懲戒解雇

 退職直前に機密情報をクラウドにアップロードしたとして、懲戒解雇された商社マンが企業年金基金に退職金支払等を求めた。東京地裁は、情報漏えいもなく会社に金銭的損害は生じていないが、機密情報を不正に目的外に利用したとして懲戒解雇相当と判断。退職金不支給もやむを得ないとした。会社が情報を区分して管理しておらず、不正競争防止法には反しないとした。……[続きを読む]

2016.11.07 【判決日:2016.02.26】
野村證券事件(東京地判平28・2・26) 情報漏洩でインサイダー報道、証券マンを懲戒解雇 注意や指導なく処分重すぎ
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  • 懲戒・懲戒解雇

 未公表の株式情報を社外に伝えたとして懲戒解雇された証券マンが地位確認等を求めた。証券取引等監視委員会からインサイダー取引の勧告を受け報道されたこと、情報漏洩の2つの懲戒事由について東京地裁は、情報伝達に関して事実関係から法の禁止行為に該当しないうえ、漏洩に当たる電話の会話を注意指導せず、弁解の機会も与えていないなど懲戒権の濫用とした。……[続きを読む]

2007.11.12 【判決日:2007.03.09】
日産センチュリー証券事件(東京地判平19・3・9) 営業日誌持ち帰り懲戒解雇に…「機密の漏洩」か 正当な目的有し処分は無効 ★
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  • 懲戒・懲戒解雇

 証券会社の営業社員が、訪問場所と顧客名を記載した日誌を自宅に持ち帰ったことを理由とする懲戒解雇は無効として争った事案。東京地裁は、日誌を第三者へ開示する意思やその事実はなく、機密漏洩に当たらないと判示。使用目的は顧客訪問計画の作成で正当性があり、安全な方法で保管していたことから、漏洩行為の態様は軽微で、解雇権濫用により無効とした。 自宅……[続きを読む]

2004.04.26 【判決日:2003.04.25】
エープライ事件(東京地判平15・4・25) 競合先へ顧客情報提供等背信行為に賠償認める 忠実義務に反すると認容 
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  • 守秘義務違反
  • 懲戒・懲戒解雇

 支社責任者の背任的加害行為に対し、会社が損害賠償を求めたもので、顧客に競合会社を紹介した行為等は雇用契約上の忠実義務に違反、会社の利益を侵害する違法行為と判断したが、不正行為がなければ受注した蓋然性が高い場合に損害を限定、損害額は原告主張の市場価格を斥け、仕入価格で算定した。 損害の範囲を限定 算定は仕入価格で 筆者:弁護士 渡部 邦昭……[続きを読む]

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