『就業規則の不利益変更』の労働判例

2022.01.20 【判決日:2021.02.02】
学校法人梅光学院事件(山口地裁下関支判令3・2・2) 生徒減り赤字状態、職能等級導入し賃金2割減 変更する高度の必要性なし
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  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金・賞与

 学生の定員割れが続き毎年赤字状態であることから、給与規程を業績を評価する職能等級に変更した事案。賃金等が減った教員ら10人が、不利益変更は無効として差額支払いを求めた。裁判所は、収益の状況などから制度変更に高度の必要性はないと判断。代償措置の調整手当を考慮しても、2割を超えて年収が減るなど不利益は相当大きく新規程の内容は合理性を欠くとし……[続きを読む]

2021.10.07 【判決日:2020.10.29】
東神金商事件(大阪地判令2・10・29) 退職金廃止して精算したのに支払い求められた 就業規則変更の同意認めず
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  • 就業規則の不利益変更
  • 退職金

 元従業員が退職金の支払いを求めた事案。会社は十数年前に制度を廃止して、積み立てていた保険の返戻金を支払っていた。大阪地裁は、返戻金を異議を述べず受領しても就業規則の不利益変更に同意したとはいえないと判断。廃止の理由は、自社ビル購入で負債が膨らんだためで、同意する客観的合理的理由は認められず、経営状況等の説明もないなど改定後の内容は合理性……[続きを読む]

2021.07.15 【判決日:2020.02.27】
野村不動産アーバンネット事件(東京地判令2・2・27) 営業の歩合廃止して固定給増額、不利益変更か 賃金1割減でも合理性あり
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  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金・賞与

 不動産売買等の手数料に連動する営業成績給の廃止は不利益変更で無効として、営業マンが支払いを求めた。会社は、賃金の総原資は減少させず月例賃金に振り分けるとしていた。東京地裁は、廃止から半年間の原告の賃金総額は1割以上減り不利益の程度は小さくないが、役割次第で増額し不利益は固定されないと判断。従業員の定着率を上げるため、安定的な給与制度とし……[続きを読む]

2019.01.24 【判決日:2018.03.22】
阪急トラベルサポート事件(東京地判平30・3・22) 派遣添乗員が固定残業代の導入は無効と訴える 就業規則の不利益変更 登録型に類推適用
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  • 就業規則の不利益変更
  • 派遣
  • 賃金・賞与

 登録型派遣添乗員が導入された定額残業代の無効などを求めた。事業場外みなし制は適用されず日当は8時間分の対価と主張した。裁判所は、労働契約を異にし就業規則変更の概念には当たらないが、相当期間同条件で契約は繰り返され労契法の趣旨から変更は無制約に許されないと判断。経営状況から8時間の対価とするのは困難ななか、導入前より日当は増えるなど合理的……[続きを読む]

2018.06.07 【判決日:2017.09.14】
サンフリード事件(長崎地判平29・9・14) 手当を未払割増賃金に組み替える制度変更は? 固定残業代導入の同意認めず
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  • 割増賃金
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金
  • 賃金・賞与

 外勤手当などを固定残業代に置き換える就業規則変更の効力を争った。労基署から残業代未払いの指導を受けて制度を見直したもの。長崎地裁は、過半数代表者の選出手続きは行われず、代表者の意見書から条件変更に同意した事実を推認できないとした。就業規則の合理性に関しては、残業代として支給する額や対応する時間数を明示しておらず不利益変更を無効とした。……[続きを読む]

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