『採用内定』の労働判例

2023.01.26 【判決日:2022.07.14】
プロバンク(抗告)事件(東京高決令4・7・14)内定通知書の月給で採用されたと仮払い求める 賃金額合意なく契約不成立
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 採用内定通知書よりも賃金が低い労働契約書を求職者が訂正して会社に提出したところ、雇用契約の申込みを撤回されたため、賃金仮払いを求めた事案の控訴審。東京高裁は、労働契約法6条の合意は認められないと判断。賃金額は求人情報とも異なっていたが、職安法に基づき労働条件が適切に変更されたか否かは、労働契約の成否に直接影響を及ぼさないとしている。 変……[続きを読む]

2022.08.04 【判決日:2021.09.29】
エスツー事件(東京地判令3・9・29) 配属部署が存続不能で新卒留学生の入社困難に 拙速な内定取消しを認めず
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 採用内定を取り消された留学生が損害賠償を求めた。会社は、配属先の責任者が退職したため事業が存続不可能などと主張した。東京地裁は、勤務場所や職種の限定もなく、内定取消しを回避すべくあらゆる手段を検討すべきと判断。財務状況の悪化は認められるが、責任者の退職から2週間後の取消しを拙速とした。試用期間を超えて働く蓋然性を認め、半年を限度に損害金……[続きを読む]

2018.02.21 【判決日:2017.04.21】
甲学園事件(東京地判平29・4・21) 新学部の教員名簿に登載も採用されず賠償請求 内定前でも採用の期待侵害
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 新設学部の教員予定者とされていた他大学の准教授ら2人が、学部認可後に採用されず不当な内定取消しと訴えた。学部認可に必要な教員名簿には氏名が登載されていた。東京地裁は、労働契約締結の期待は法的保護に値する程度に高まっていたと判断。採用内定とはいえないが、文科省の教員審査後も面接など採用手続きを執らず不誠実とした。55万円の慰謝料を認容。……[続きを読む]

2011.01.10 【判決日:2010.06.02】
コーセーアールイー事件(福岡地判平22・6・2) 新卒者の内々定取消し、違法な解雇と損害賠償請求 採用への期待権侵害を認容 ★
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 採用内々定を取り消された学生が、労働契約は成立しており違法解雇などとして損害賠償を求めた。福岡地裁は、内々定を正式な内定までの間、企業が新卒者をできるだけ囲い込むものに過ぎないと規定し、労働契約の成立には当たらないとしたが、経済が悪化する危惧から内定直前に急いで取り消したもので、採用への期待権を侵害したとして100万円の支払いを命じた。……[続きを読む]

2006.05.01 【判決日:2005.09.09】
ユタカ精工事件(大阪地判平17・9・9) 給与額で転職話ご破算に、退職銀行マンが訴え 契約過程で過失あり賠償を
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  • 労働契約
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 知人の経営者から会社再建の協力を求められた上級管理職の銀行マンが転職のため退職したが、給与額で折り合わずご破算になり、雇用契約上の権利を有する地位確認を求め、予備的に損害賠償を請求したもので、大阪地裁は労働条件が合意されないまま推移し雇用契約は未成立としたが、契約過程の誠実義務に反する過失を認定、損害賠償を認めた。 誠実義務に反する 雇……[続きを読む]

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