『損害賠償』の労働判例

2024.08.29 【判決日:2023.10.22】
医療法人社団Bテラス事件(東京高判令5・10・22) 休憩室を秘密録音、陰口言った院長へ賠償請求 揶揄する会話が不法行為に
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 職員の歯科医師が控室を秘密裏に録音したところ、院長らに揶揄されていたことから、不法行為に当たる等として損害賠償を求めた事案の控訴審。東京高裁は、院長の地位や立場を考慮すると名誉を毀損し侮辱する内容の会話に興じることは就業環境を害するとして、一審判決を変更して慰謝料の支払いを命じた。秘密録音は、著しく反社会的な手段とはいえないとして証拠能……[続きを読む]

2024.05.23 【判決日:2023.01.25】
伊藤忠商事・シーアイマテックス事件(東京高判令5・1・25) 海外出張中の交通事故、大ケガ負って賠償請求 日本法適用して不法行為に
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 海外出張中の交通事故で重い障害が残ったことから、出張を命じた出向先の総合商社らに対し損害賠償を求めた事案の控訴審。一審はマレーシア法を準拠法として請求を棄却した。東京高裁は、1週間と短期の出張中の事故で、労務提供に密接な関係がある日本法を準拠法として、民法に基づき出向先の使用者責任を認めた。なお、事故は予見できず安全配慮義務違反は否定し……[続きを読む]

2023.06.08 【判決日:2022.06.23】
関西新幹線サービック事件(大阪地判令4・6・23) コロナ禍に有給の自宅待機認められず慰謝料!? 出勤命令は裁量権の範囲内
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 コロナ禍で有給の自宅待機とされた日を出勤日に変更された従業員が、感染の危機にさらされたとして慰謝料等を求めた。大阪地裁は、一定のルールに基づき待機の日を割り当てたことに裁量権の逸脱濫用は認められないと判断。労働者に待機を求める権利はなく、出勤指示は重い負担や不利益を課すものでないとした。臨時に出勤を命じることがあると組合と協定していた。……[続きを読む]

2022.03.17 【判決日:2021.07.21】
肥後銀行事件(熊本地判令3・7・21) 株主代表訴訟で取締役らに過労自殺の賠償請求 時間管理体制は適正に整備
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 長時間労働により自殺した行員の遺族が、取締役らが適正な労働時間管理体制の構築を怠ったとして、株主代表訴訟を提起した。熊本地裁は、適切な労働時間管理体制は構築され、善管注意義務違反は認められないとした。自己申告を基礎とする仕組みを採用し、実態把握や改善のための調査を行っていたと認定した。上司でない取締役らが長時間労働を予見するのは困難とし……[続きを読む]

2021.08.19 【判決日:2020.02.25】
伊藤忠・シーアイマテックス事件(東京地判令2・2・25) 出向先から海外出張中に事故、損害賠償責任は 国外の交通事故予見できず
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  • 損害賠償

 出向していた労働者がマレーシアへの出張中に交通事故に遭い、出向先らに安全配慮義務違反の損害賠償を求めた。車を手配したのは、出向先の従業員(現地の事業会社へ出向中)だった。東京地裁は、具体的な危険が存在することは予見困難と請求を斥けた。直近の事故の統計や分析のみでは同国内の交通事情を推認することは困難など、同義務違反を怠ったとはいえないと……[続きを読む]

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