『業務上・外認定』の労働判例

2024.10.03 【判決日:2024.07.04】
あんしん財団事件(最一小判令6・7・4) メリット制対象事業主が業務災害でないと提訴 労災支給処分取消し争えず ★
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 業務災害で労災保険料が増えるおそれがあるとして、事業主が労災支給決定処分の取消しを求めた事案の上告審で、最高裁は原告適格を否定。労災支給決定は被災労働者の保護を目的とし、保険料額の基礎となる法律関係まで確定するものではないとした。客観的に支給要件を満たさない給付額は保険料計算から除外するとしたうえ、保険料の認定処分の不服申立て等が可能と……[続きを読む]

2024.06.20 【判決日:2021.06.28】
国・中央労基署長事件(東京地判令3・6・28)  不当な出向命令で適応障害発症したと労災請求 強い心理的負荷認められず
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 適応障害を発病したのは異動等が原因として、車掌が労災不支給の処分取消しを求めた行政訴訟。部下への暴行後に訓告のほか出向を命じられ、処分は不必要かつ不相当と主張した。東京地裁は、重大な非違行為で指導教育する必要性が高く、処分等に人事権の逸脱濫用は認められず心理的負荷に強く影響したとはいえないとした。離婚など業務以外の負荷も否定できないとし……[続きを読む]

2024.04.11 【判決日:2023.09.26】
国・岡山労基署長事件(福岡高判令5・9・26) 過重労働といえず脳出血の発症が“業務外”に? 連続勤務で休息少なく労災
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 脳出血で死亡した労働者の遺族が、労災不支給処分の取消しを求めた事案の控訴審。発症前半年間の残業時間数を平均76時間とした一審に対して、福岡高裁は81時間と認定。始業終業時刻や休憩時間を認定し直した。10日を超える連続勤務を繰り返しており、勤務間インターバルの状況から、業務上災害とした。血圧値は業務起因性を否定する危険因子とまではいえない……[続きを読む]

2023.11.02 【判決日:2022.09.12】
郵船ロジスティクス事件(東京地判令4・9・12) うつ病で2年弱休業状態、有期契約の途中解雇 直ちに雇用終了可能と認定
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 うつ病で休業中だった有期契約労働者を、期間途中で解雇した事案。労働者は、うつ病発症はパワハラが原因で労基法の解雇制限に抵触するなどと主張した。東京地裁は、心理的負荷の程度を強度とは評価できず、業務起因性を否定。休業は約1年8カ月に及び、医師の診断書からは症状の改善傾向は窺えず今後の稼働可能性は皆無として、雇用を終了せざるを得ないとした。……[続きを読む]

2023.03.09 【判決日:2022.03.18】
北九州東労基署長事件(福岡地判令4・3・18) 4年前にうつ発病、過重労働で悪化と労災請求 業務量増え心理的負荷“強”
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 4年前にうつ病を発症し、その後悪化したのは業務に起因するとして、労災保険給付の不支給処分取消しを求めた。福岡地裁は発病と業務の相当因果関係は否定したが、症状が悪化した直前の残業数は月100時間に達するなど心理的負荷は強として請求を認容。顕著に悪化したのは15日連続勤務の最終日だった。発病当時の上司から再び指導等を受けたことも考慮した。……[続きを読む]

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