『職務上の不正行為』の労働判例

2015.01.26 【判決日:2014.02.12】
東京都M局事件(東京高判平26・2・12) 3年間で72回の遅刻、一審は停職処分無効としたが… 遅参日や回数の推認は可能 ★
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 遅刻した日を特定できず、部下へ出勤記録の修正を指示した事実もないとして、営業所長の停職を無効とした事案で、東京高裁は出勤管理システムの入力データや部下の証言から遅参したと推認でき、覆す事実も認められないと判示。出勤扱いのまま決裁し、記録の修正を求める意思があったと認めた。処分前に東京都は弁明の機会を与え、手続きが違法とはいえないとした。……[続きを読む]

2014.07.28 【判決日:2013.11.19】
乙山株式会社事件(大阪地判平25・11・19) 不明朗な金銭授受により懲戒解雇、裁判で理由追加 処分事由の後付けできない
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  • 職務上の不正行為

 不明朗な金銭授受を理由に懲戒解雇し退職金不支給としたところ、その無効を求めて提訴された事案。会社はその後の着服・背任も密接に関連すると主張したが、大阪地裁は交付した「解雇理由書」に記載はなく処分の意思があったとはいえないうえ、対外的信用の低下は軽微などとして、解雇は行為の性質や態様に照らし相当性を欠き無効とした。 態様に照らし無効 信用……[続きを読む]

2014.04.28 【判決日:2013.06.06】
東京都(M局職員)事件(東京地判平25・6・6) 3年で72回遅刻し部下に記録修正させたと停職処分 尽くすべき調査を怠り無効 ★
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  • 職務上の不正行為

 約3年間で72回遅刻し、部下へ記録の修正を指示したとして停職3カ月とされた都職員が、処分取消しなどを求めた。東京地裁は電車遅延などと区別がつかず日付や回数の特定が困難ななか、担当者らが漫然と遅刻と認定したことは職務上尽くすべき調査義務に反するとした。違法な処分を対外的に公表したことにより被った損害には賠償を命じた。 電車遅延など含む 日……[続きを読む]

2006.07.03 【判決日:2005.11.22】
伊藤忠テクノサイエンス事件(東京地判平17・11・22) 社内規定違反で部長を懲戒解雇、退職金も半減 個人的な行動でなく重すぎ
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 職務上の不正行為
  • 賃金
  • 退職金

 受注前の成約計上など社内規定に反する行為が懲戒事由に該当するとして懲戒解雇通告、退職金半減の処分を受けた営業部長が、懲戒解雇の無効確認、会社都合による退職金などを求めた。東京地裁は懲戒事由に該当するとしつつも個人的な行動ではなく処分として重すぎ解雇権の濫用に当たるとし、自己都合による退職金の支払いを命じた。 解雇権濫用に該当 自己都合退……[続きを読む]

2006.06.26 【判決日:2006.02.07】
光輪モータース事件(東京地判平18・2・7) 通勤費35万円を不正に受給、懲戒解雇は正当か 制裁としては重きに過ぎる
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 職務上の不正行為

 4年8カ月にわたって定期代を約35万円不正に受給したとして懲戒解雇された従業員が、地位の確認および賃金の支払いを請求したケースで、東京地裁は賃金カットの穴埋めに通勤時間や徒歩の距離が長くなる自らの負担で節約しようとしたもので、過大請求などに比べ悪質ではないと認定、企業秩序維持のための制裁としては重きに過ぎると判示した。 詐取目的ではない……[続きを読む]

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