『賃金』の労働判例

2025.04.10 【判決日:2024.07.04】
社会福祉法人A事件(東京高判令6・7・4) グループホームで泊まり勤務、割増賃金単価は 夜勤手当のみの合意認めず NEW
ジャンル:
  • 賃金
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 仮眠時間

 グループホームで泊まり勤務する生活支援員が、夜勤手当のみを割増賃金計算の基礎とした一審を不服として控訴した事案。東京高裁は、夜勤について日中と異なる時給が許されないわけでないが、その合意は趣旨や内容が明確な形でされるべきと判示。夜勤の労働時間性を争ってきたことを指摘して、合意がなかったと判断した。夜勤は不活動時間も含めて労働時間とした。……[続きを読む]

2025.03.06 【判決日:2024.05.15】
サカイ引越センター事件(東京高判令6・5・15) 引越しの売上げや件数で額決まる手当は歩合? 作業量連動せず出来高否定
ジャンル:
  • 賃金
  • 割増賃金

 引越し運送会社が、売上げや件数等に応じて金額が決まる業績給は労基法の出来高給に当たらないとした一審を不服として控訴した事案で、東京高裁は控訴を棄却した。現業職の出来高給の金額は、作業量や運搬距離といった労働の成果に一定比率を乗じて決まるとしたうえ、引越しの売上げや件数は必ずしも作業量等と連動せず、緩やかな相関関係では不十分としている。……[続きを読む]

2025.01.30 【判決日:2024.02.19】
ビーラインロジ事件(東京地判令6・2・19) 定額残業代導入時に同意得て規則変更したが… 不利益の説明不十分で無効
ジャンル:
  • 賃金・賞与
  • 賃金
  • 割増賃金
  • 就業規則の不利益変更

 定額残業代の導入に伴い、新たな労働契約を締結したドライバーが、割増賃金とは認められないとして残業代の支払いを求めた。東京地裁は、会社の説明では時間単価が2割以上減るという不利益を認識できず、「自由な意思」で変更に同意したとはいえないと判断。割増賃金の算定基礎すら把握困難とした。給与規程も改定したが、変更の必要性は認められないとしている。……[続きを読む]

2024.11.21 【判決日:2024.06.27】
懲戒処分等取消請求事件(最一小判令6・6・27) 飲酒運転して物損事故、退職手当なしは違法か 原審覆し全部不支給を認容 ★
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職金

 飲酒運転や物損事故等を理由に公務員の退職手当を全額不支給とした事案。不支給処分を取り消した一審判断を維持した原審に対し、最高裁は、処分に裁量権の逸脱濫用はないとして取消請求を棄却した。被害は弁償され懲戒歴もなかったが、事故を起こしたまま帰宅し悪質なこと、警察官に虚偽の説明をし不誠実なこと、公務に対する住民の信頼を大きく損なったとしている……[続きを読む]

2024.07.24 【判決日:2023.05.24】
スカイコート事件(東京地判令5・5・24) 転職するため経理データ持ち出したと懲戒解雇 秘密保持違反で退職金なし
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職金

 退職の意思表示後に経理財務データを持ち出したとして、懲戒解雇された経理部長代理が退職金を請求した。東京地裁は、持ち出したデータが就業規則上の「重大な機密」に当たり、持出行為は功労報償を完全に減殺するとして請求を退けた。不正競争防止法のように、秘密の範囲を限定的に解する必要はないとして、懲戒事由の範囲を規定した就業規則の合理性を肯定できる……[続きを読む]

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。