『賞与・一時金』の労働判例

2018.02.28 【判決日:2017.04.10】
紀北川上農協事件(大阪地判平29・4・10) 57歳からスタッフ職、本人同意なく昇給停止は 定昇・賞与なしの改訂有効
ジャンル:
  • 就業規則
  • 昇給昇格・降格
  • 賞与・一時金

 満57歳から定昇や賞与なしのスタッフ職とされた元職員が、退職後に未払賃金を求めた。昇給「できる」から「しない」と規定が改訂された。大阪地裁は、就業規則の不利益変更に関し、経営上高度の必要性はないが、年齢的に賃金は高いなど変更後の内容は相当性を欠くとはいえず、労組が反対していないことも考慮。なお、規定からは昇給等の権利は生じないとしている……[続きを読む]

2018.02.07 【判決日:2017.06.29】
東日本旅客鉄道事件(東京地判平29・6・29) 賞与支給直前に定年退職、不支給は差別と提訴 「基準日在籍要件」に合理性
ジャンル:
  • 定年
  • 賃金
  • 賞与・一時金

 賞与の「支給基準日」の1日前に定年退職した元従業員が、合理性のない差別的取扱いとして損害賠償を求めた。支給日の1カ月以内に退職した者には支給すると規定していたもの。東京地裁は、支給日に近接した基準日を設け、在籍を要件とすることの合理性を認容。査定期間にすべて従事したとの主張には、将来の貢献への期待要素が含まれ、賃金と同視できないとした。……[続きを読む]

2017.10.11 【判決日:2017.03.30】
ヤマト運輸(賞与)事件(仙台地判平29・3・30) 非正規のみ査定で賞与減、格差不当として差額請求 計算式の違い不合理でない
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 賃金
  • 賞与・一時金

 契約ドライバーが、勤務状況が同じ正社員と賞与の計算式が異なるのは不合理と訴えた。基本給等に成果査定率として40~50%が乗じられていたが、100%として差額を求めた。仙台地裁は、期待される役割、昇進や転勤など人材活用の仕組みが異なるうえ、正社員の賞与には、将来への動機付けや奨励の意味合いを持たせると考えたことは不合理とはいえないとした。……[続きを読む]

2016.01.11 【判決日:2015.03.05】
クレディ・スイス証券事件(最一小判平27・3・5) 解雇無効で業績連動型報酬の支払い命じた原審は? 支給額決定前で請求権なし
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  • 賃金
  • 賞与・一時金

 外資証券会社の元従業員が、解雇無効と年単位で支給されるIPC報酬(業績連動型報酬)の支払いを求めた。二審は地位確認を認容し、労働契約に基づく賃金として約1000万円の支払いを命じたため会社が上告。最高裁は会社が個々の業績等を勘案し、支給有無や額、算定方法を決定して初めて請求権が生じると判断。労使慣行もないなど報酬支払いを命じた部分を破棄……[続きを読む]

2014.06.23 【判決日:2013.04.16】
兵庫県・兵庫県労委(テーエス運輸)事件(神戸地判平25・4・16) 賞与の増額交渉決裂、全額不支給は不当労働行為? 別労組と顕著な差で不合理 ★
ジャンル:
  • 労働組合
  • 賃金
  • 賞与・一時金

 条件付きの賞与増額案を労組が拒否したところ全額不支給となり、労委に救済申立てを棄却されたためその取消しを求めた。神戸地裁は、条件に応じた併存する別労組には賞与を支給しており、組合間で顕著な差が生じ不合理と判断。会社が当初提案した60万円で合意が成立し、合意部分の不支給は組合弱体化を図るもので不当労働行為が成立する。 当初回答額で合意 労……[続きを読む]

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