STELLA人材が最多の業種は「公務」、最小は「宿泊業・飲食サービス業」
累計254万人受検のストレスチェック独自分析から判明したこと
2024年12月19日
株式会社ドクタートラスト
https://doctor-trust.co.jp/
株式会社ドクタートラスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高橋雅彦、以下「ドクタートラスト」)のストレスチェック研究所では、ストレスチェックサービスを利用した累計受検者254万人超のデータを活用し、さまざまな分析を行っています。
今回は2023年度にストレスチェックの実施を受託した1,390の企業・団体における集団分析データをもとに、STELLA人材の割合における推移や業種別STELLA人材の割合、回答割合を算出しました。
STELLA人材とは
ストレスチェック制度は、従業員のメンタル不調の予防やその気付きを促すこと、また、ストレスが高い人の状況把握やケアを通して職場環境改善に取り組むことを目的として制定され、2015年12月以降、従業員数50名以上の事業場で年1回の実施が義務づけられています。
ドクタートラストのストレスチェックでは、個人のストレスレベルを5段階(A~E)で評価しています。Aはストレスが最も低く、Eが最も高いとされます。
さらにストレスレベルが低い人(A、B)のうち、自らの心身の健康状態が良好で会社や仕事への満足度、ストレス耐性が高く、物事に対して柔軟に対応できる人材を独自に「STELLA」と定義し、その候補者となり得る人材をストレスチェック結果から導き出しています。
STELLAは、自らがいきいきと働くだけでなく、彼らが抱くポジティブな考え方や傾向によって、周囲に対しても良い影響を及ぼすことができる理想的な人材です。ドクタートラストは、こうした人材を増やしていくことで、社内全体に好影響が波及し、職場環境改善や高ストレス者軽減だけでなく、企業の生産性向上にもつながると考えています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412171849-O1-dpW5hsXT】
調査結果のポイント
今回の調査では、2023年度にドクタートラストでストレスチェックを受検した479,612人の最新結果をもとにSTELLA人材の傾向や業種別STELLA人材の割合、回答割合を比較しました。
<調査結果のポイント>
・ STELLA人材の割合を過去4年で見ると、15.5%前後を推移しているが、組織ごとに大きな差がある
・ STELLA人材の割合が最も高い業種は「公務(他に分類されるものを除く)」、最も低い業種は「宿泊業・飲食サービス業」
・ 仕事の報酬やキャリアアップ教育などの「会社の体制」、指導・評価などの「上司の対応」がSTELLA人材の増減には大きく関わっている
以下では調査結果を詳しく見ていきます。
STELLA人材の割合の推移
図2は、2020~2023年におけるSTELLA人材の割合を示しています。2023年度は15.4%であり、4年間を通してSTELLA人材の割合は15.5%前後を推移しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412171849-O6-ZMgGp4IM】
図3は2020年~2023年における組織別にみたSTELLA人材の割合の最大値、最小値を示しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412171849-O2-ZV1065m5】
全体でのSTELLA人材の割合は4年連続大きな変化が見られなかったものの、すべての年度で組織別STELLA人材の割合の最大値と最小値には大きな差がありました。最新の2023年度においては、STELLA人材の割合が最も高い組織は47.9%と約2人に1人がSTELLA人材であるのに対し、低い組織では0%となっており、職場内にSTELLA人材が一人もいないことがわかりました。
また、2023年度にドクタートラストでストレスチェックを実施した1,390社中969社、つまり全体の約7割の企業は、STELLA人材の割合が全国平均よりも低い結果でした。
業種別STELLA人材の割合
図4は業種別にSTELLA人材の割合を比較したグラフです。全国平均とくらべてSTELLA人材の割合が高い群を赤枠、低い群を青枠で示しています。
STELLA人材の割合が最も高い業種は「公務(他に分類されるものを除く)」であり、最も低い業種は「宿泊業・飲食サービス業」でした。また、STELLA人材の割合が全国平均より高い群は4業種、低い群は12業種となっており、全体の約4分の3の業種において全国平均よりも低いことが判明しました。
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STELLA人材が多い業種と少ない業種の回答比較
図5は、図4において赤枠で示したSTELLA人材の割合が高い業種と、青枠で示した低い業種に分け、良好回答の差が大きかった設問を示しました。最も差が見られたのは「自分の仕事に見合う給料やボーナスをもらっている」(差17.4%)、以下「自分の仕事に誇りを感じる」(差12.7%)、「意欲を引き出したり、キャリアに役立つ教育が行われている」(差12.6%)と続きます。
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【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412171849-O4-7WjBVWAA】
まとめ
STELLA人材の割合を過去4年で見ると、15%台前後で推移しています。しかし、企業ごとのSTELLA人材の割合には大きくバラつきがあり、業種別に見てみると、全体の4分の3の業種において全国平均より低いことがわかりました。
また、STELLA人材の割合が高い業種と低い業種の回答比較から、仕事の成果に対しての報酬や教育などを含めた会社の体制、指導・評価といった上司の対応がSTELLA人材の増減には大きく関わっているのではないかと推察します。
さらに、STELLA人材の多くが心身の健康状態が良好であることから※、従業員に対して睡眠を中心とした研修やセミナーなどの健康教育の機会を提供、労働時間・休暇取得状況の見直しをするなど、生活習慣を正していくための取組みが必要です。
職場環境改善を行っていくうえで、「STELLA人材」の存在が職場内でいかに影響を与えるのか今回の記事をきっかけに知っていただければ幸甚です。
<参照>ドクタートラスト「STELLA人材は、疲労感や憂うつ感が少ない 累計254万人受検のストレスチェック独自分析から判明したこと」
文責:押切愛里(ストレスチェック研究所 アナリスト)
YouTubeで解説動画公開中
【解説】STELLA人材が少ない業種は、宿泊業・飲食サービス業!2023年度のストレスチェックから分析した、周りに良い影響を与えるSTELLA人材と業種別の関係を、研究所のアナリストがわかりやすく解説します!
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=CHlTVg4a31Q】
調査対象
調査対象:ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス 2020年度~2023年度受検者
対象受検者数: 479,612人(2023年度)
410,352人(2022年度)
324,642人(2021年度)
240,275人(2020年度)
※ 本件の業種分類は「日本標準産業分類」に準拠しています。受検法人数が一定数に満たない業種は評価していません
ドクタートラスト概要
株式会社ドクタートラスト https://doctor-trust.co.jp/
株式会社ドクタートラスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高橋雅彦)は企業ではたらく人の健康管理を専門に受託している会社です。産業医(国内第1位※)や保健師などの医療資格者が企業を訪問の上、健康診断結果に基づく健康指導、過重労働者面談を行います。また、254万人超のビッグデータに基づく職場環境改善コンサル「STELLA」や、 外部相談窓口サービス[アンリ]、健康管理システム「エール+」もご好評いただいております。その他 ストレスチェック、健康経営セミナー、 衛生委員会のアドバイスなど、さまざまな業務を実施します。※帝国データバンク調べ
ストレスチェック研究所 https://www.stresscheck-dt.jp/stella/
ストレスチェック研究所は、ドクタートラスト内に設置された研究機関です。ストレスチェックで得られた膨大なデータの分析を行うとともに、ストレス耐性が高く組織の強みである人材を「STELLA(ステラ)」と名づけ、これら人材を活用した強固な組織作りを目指す職場環境改善コンサル業務を行っています。
ストレスチェックサービスに関するお問合せ
株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所 担当:杉山、上田
TEL:03-3464-4000(代表)
企業さま用お問合せフォーム:https://www.stresscheck-dt.jp/sc_form/
<参考>100名あたり6万円~(専門コンサルタントによる集団分析結果フィードバックなども、料金内でご提供いたします)