注目判例の速報解説(大学講師の雇止めをめぐる事件/家事労働の労災認定をめぐる事件)
~裁判所の判断が注目される労働事件を水町先生が速報解説/人事担当者がおさえておきたいポイントとは~
このたび裁判所の判断が注目される2つの事件について速報解説を開催いたします。
1つは大学講師の無期転換をめぐる事件の最高裁判決です(10月31日判決予定)。有期雇用契約が通算5年を超えたのに、無期契約に転換されず雇い止めをされたとして元大学講師が地位確認を求めた事件で、一審判決は労働契約法の特例(大学教員の任期を定めた任期法)が適用されるとし元講師の請求を棄却しましたが、二審の大阪高裁判決では任期法の適用を否定、雇い止めを無効として学校法人に未払賃金支払いを命じました。最高裁では元講師の職が任期法(多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職)に該当するかどうかが争点となり、最高裁がこの点の判断を示すのが初めてとなることから注目されます。
もう1つは、家事労働の労災認定をめぐる事件(東京高判R6.9.19)を取り上げます。この事件は、家政婦兼介護ヘルパーとして要介護者の家庭に派遣され約1週間の泊まり込み勤務後に急死した女性の労災認定を遺族が求めたもので、東京高裁は過重業務による労災であると認め、労働基準監督署の不支給処分を取り消しました(国側が上告せず、判決確定)。家事使用人の問題をめぐっては、厚生労働省がこの事件の一審判決後に労働実態を63年ぶりに調査、その後「家事使用人の雇用ガイドライン」を策定しました。またその後も労基法などの改正に向けた専門家による検討会で議題に上がる等、動向も注目されます。
今回は水町勇一郎先生を講師にお招きして、2つの事件の解説と今後への影響等について解説していただきます。企業や労働組合のご担当者をはじめご関心ある皆様はこの機会にぜひご受講ください。
(当日までの状況により内容は多少の変更の可能性もあります。あらかじめご了承ください)
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