【社長と人事部長への社労士使いこなし術】第14回 就業規則ハンドブック 企業文化醸成促す 条文の解釈・背景伝え/高澤 舞
2021.01.14
【労働新聞】
社労士は、関与先企業の就業規則を策定、改定する業務を日常的に担っている。数多くの就業規則に携ってきて感じることは、就業規則は読まれない、という課題だ。
「社員が就業規則の関心があるところだけを読み、権利だけを主張してくる」といった声を聞く。しかし、最も関心があるはずの経営者や人事担当者ですら、就業規則をじっくり読んでいないという実態が少なからずある。
なぜ読まれないのか。
労働基準法上、就業規則は一定の要件のもとに作成し届出する義務があり、また、絶対的必要記載事項・相対的必要記載事項として、求められる記載内容が指定されている。無用な労使トラブルを回避するという企業の目的意識も反映させて完成する就業規則は、条文数が優に100条を超える。齟齬を回避するため、一般社員にとって記述が難解な表現であるものも多い。就業規則が読まれない大きな理由だろう。
しかし、就業規則のなかには、ぜひとも社員に知っておいてほしい自社の重要な価値観などが、服務規律に記載されていることも多い。これが読まれないのは、もったいないとしかいいようがない。そこで、…
筆者:ドリームサポート社会保険労務士法人 社会保険労務士 高澤 舞
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令和3年1月18日第3289号7面 掲載