【人事学望見】第1273回 営業譲渡でトラブル発生 雇用関係承継の実質同一性ない
2021.01.21
【労働新聞】
コロナ禍以前の問題とはいえ、経営不振による営業譲渡は、これから多発すると予想されている。目下打撃を受けているのは飲食店関係だが、他産業でも存続の危機に立たされているところは少なくない。学校教育事業もその一つで、雇用契約承継でトラブルになりやすい。
判断異なる原審と控訴審
原審と控訴審で結論を異にしたために関心を呼んだのは、東京日新学園事件である。
事件のあらまし
経営が破綻した訴外学校法人Bが設置運営していた専門学校の経営を、新しく設立された学校法人である原告Yが引き継いだ際、Bに専任教員として雇用されていたAをYが採用しなかったことが不当労働行為であり、不採用は無効であるとして雇用関係を主張してAが提訴した。Yがこれを争って、本訴としてAとの間に雇用関係が存在しないことの確認を求め、Aは、これに対し反訴としてYとの間の雇用関係の存在を主張するとともに、新法人における雇用開始の日からの給与および賞与の支払い、並びに不当労働行為により精神的損害を被ったとして不法行為に基づく損害賠償(慰謝料)を請求した。…
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令和3年1月25日第3290号12面 掲載