【人事学望見】第1275回 整理序列と非正規社員 経営不振でっち上げて排除図る
2021.02.04
【労働新聞】
正社員を整理解雇するためには、非正規社員の解雇を先行させないと解雇権の濫用を問われる。純粋なパートタイマー、定年後再雇用者、常用的パート、常用的臨時工と一応順位付けられるが、非正規社員でも家計補助的な労働者が増加しており、固定観念は許されまい。
信心しないパートを標的
ともあれ、重要判例の流れに沿ってみよう。雇用期間の定めのない一般の雇用契約によって雇われていたパートタイマーの整理解雇をめぐって争われたのは春風堂事件(東京地判昭42・12・19)である。
事件のあらまし
Y会社の営業成績は軌道に乗って安定していたが、昭和39年以降人件費、とりわけアルバイト料の増加が著しかったため、Y社は常勤者を増やしてパートタイマーを廃止する方針を立て、昭和41年、申請人(A)らにパートを辞めてもらうと通告した。しかしながら、その後常勤者を11人増加したことから、申請人の勤務した当時の常勤者6人、パート5人時よりもかえって人件費は増加したとみられた。
のみならず、Y社は申請人代理人の反対尋問に対して、経理内容・状況を明らかにしなかった。…
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令和3年2月8日第3292号12面 掲載