【努力義務化!70歳までの就業確保 新しい高齢者雇用】第7回 能力開発の必要性 50歳代も継続実施を 会社と従業員が協力し/藤村 博之
2021.02.18
【労働新聞】
働くことは健康に好影響
十数年前、筆者は産業医の学会に招かれて、パネルディスカッションに参加した。筆者の役割は、働く人たちがどのような制度のもとに置かれているのかを報告することであった。筆者の他に数人の産業医が報告したが、その方々が異口同音に主張していたのが「元気だから働いているのではなく、働いているから元気なのだ」という点だった。働くことは健康維持に効果があるというのが産業医の共通の見解のようである。
働いているとたくさんの刺激を受ける。毎朝決まった時間に起き、身支度を調えて会社に行く。会社に行くと仲間がいて、様ざまな話が出る。会社には自分がやるべき仕事があり、それをすると顧客や同僚から「ありがとう」と言ってもらえる。人間は社会的な動物であり、他者とのかかわりの中で、自らの存在感を得ることができる。働くとお金をもらえることも重要である。働くことは、いちばん手っ取り早い社会参加の方法なのである。
日本社会のあり方に批判的な学者は、仕事にしか生きがいを見出せないこと自体が問題だと主張する。しかし、働きたいという人がいて、雇おうという企業があるなら、働き続けることを否定する必要はない。しかも、働くことが健康維持に役立つなら、増え続ける医療費の抑制にもつながる。…
筆者:法政大学大学院 イノベーション・ マネジメント研究科 教授 藤村 博之
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令和3年2月22日第3294号6面 掲載