【想いはせれば】第150回 安全対策過剰保護の功罪
2021.03.10
【安全スタッフ】
▶私が利用している東京都内の駅のほとんどのホームに、転落防止のホームドア(電動柵)が設置してあります。この柵は、視力に障害がある人や酔っぱらいなどが、誤ってホームから転落するのを防止するために設置されたものです。私が利用している駅は乗降客は少なく、これまでホームからの転落事故もほとんどなかったため、後回しにされていたようです。
この駅にもホームドアが設置されることになり、工事は電車が通らない夜中に行われていますが、工事をしていない朝夕の時間帯に7~8人程度の警備員が寒風のホームに立って警戒をしています。とくに今はコロナ禍で乗降客が少なく警備員だけが目立っています。「客は少ないのに随分厳重だね」と聞くと「お客さんの安全のため、安全第一ですから」とのことでした。
▶これまで工場などの事業場は長い間、「安全か生産か」の葛藤を繰り返してきました。とくにわが国では100年ほど前から大戦を経て昭和後期まで、工業生産の活発・発展のなかで「安全第一」のスローガンを掲げてはいたものの、…
執筆:セフテイレビュー 代表 末松 清志
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2021年3月15日第2374号 掲載