【元監督官が明かす!!送検・監督のリスク管理 事例徹底分析】第23回 石綿(アスベスト) 4月から規制強化へ 事前調査報告義務 一般住宅規模でも/西脇 巧
2021.03.18
【労働新聞】
地方自治体から情報受けて捜査
石綿は、その粉じんを吸入することで、肺がんや中皮腫などの重篤な健康障害を招く恐れがある。現在は石綿含有製品(石綿および石綿をその重量の0.1%を超えて含有する全てのもの)の製造、使用などが全面的に禁止されている。しかし、日本は過去に累計1000万トン程度の石綿を輸入し、多くを作業場で材料として使用した。多数の労働者が、石綿関連疾患で労災認定を受けている。
今後は、石綿を使用した建築物の解体・改修工事の増加が見込まれている(国交省の推計では、解体工事件数はさらに増加して2028年頃にピークを迎える)。着工までに石綿含有建材の劣化などによる石綿の飛散で、従業員のばく露も懸念されている。実際に、解体等工事(以下、「解体工事」)では、石綿などの有無の事前調査がされていない事案が散見されている。適切なばく露防止措置が講じられていない、作業場で石綿建材の使用を把握後、長期間にわたって損傷劣化状況を点検していない――などの事例も見受けられる。厚労省(労基署)では、国交省、環境省および地方自治体とも連携しながら、監督指導を強化しており、表1のように重大・悪質な事案については、司法事件として送検している。…
筆者:TMI総合法律事務所 弁護士 西脇 巧
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令和3年3月22日第3298号11面 掲載