【努力義務化!70歳までの就業確保 新しい高齢者雇用】第12回 活躍の場のつくり方(上) 店長の代替要員に クレーム対応などで貢献/藤村 博之

2021.03.25 【労働新聞】
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人事が考える6つの課題

 人事担当者と高齢者雇用について話していると、いくつかの課題が挙がってくる。(ア)高齢者に担当してもらう仕事がない、(イ)高齢者は新しいものに対応する能力が低い、(ウ)継続雇用に入るとモチベーションが下がる、(エ)どのような給与制度が適切なのか分からない、(オ)元部下が上司になることへの抵抗感が強い、(カ)現役世代から批判されるような働き方をする人がいる、といった点である。これらの点をどう解決するかを3回にわたって検討してみたい。

 本社の会議室で話していると、高齢者雇用の難しい面ばかりが強調され、「やってもらう仕事がなかなかないんですよね」という発言が多くなる。しかし、現場に行って、現場のリーダーに話を聴くと、事情はまったく異なる。「60歳を過ぎた方でも、活躍の場はいくらでもありますよ」というのである。

 50歳代の大手チェーンストアの店長が次のような話をしてくれた。

 「最近の店舗は、休業日がほとんどない状態で営業しています。店長も従業員である以上、年間休日日数は100日以上与えられ、業務の都合をみて休むようになっていますが、現実にはそんなに休めません。店長が安心して休めない最大の理由は、休んでいるときに、部下では処理できないような難しいクレームが発生するのを恐れるためです。そのようなとき、60歳代の店長経験者がいてくれると、とても助かります。また、現役の店長が出勤しているとき、同時に複数のクレームが発生することがありますが、そのような場合にも、とても心強い味方になってくれます」。

 対処が難しいクレームの一例として、次のようなものがあるという。…

筆者:法政大学大学院 イノベーション・ マネジメント研究科 教授 藤村 博之

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令和3年4月5日第3299号6面 掲載
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