【イラストで学ぶ身近なリスクと対策】第14回 テルハ作業での災害(上)
2021.04.27
【安全スタッフ】
1.はじめに
新緑の侯・薫風の侯、「若葉の緑が目にしみる季節」となりました。今回と次回は、製造業・物流業などで身近なクレーンの「テルハ作業での災害」をテーマにします。
2.テルハの用途
テルハは、製造工場や倉庫などの天井に取り付けた「Ⅰ形鋼の梁(レール)に電気ホイストなど〔*1〕をつり下げた構造」で、つり荷の巻上げと巻下げをレールに沿った線の横行をする「二次元運動〔*2〕のクレーンをテルハ」という。取り扱いが簡単で容易なため広く用いられている。
〔*1〕電気ホイスト、電気・手動チェーンブロック、ベビーホイスト。
〔*2〕「直線は一次元、平面・曲面は二次元、空間は三次元」。「テルハは二次元の作業区域に限定」され、移動は直線だけでなく、Y形に分岐形状もある。自動車の組立工場などでは、特殊な鋼製レールを井桁状に組み合わせて、オーバーヘッド形天井クレーンと同様に三次元運動の同時操作が可能なシステムを使用しているが、テルハに該当しない。
3.テルハの災害
最近7年間〔平成25年~31年・令和元年〕のクレーンによる機種別死亡災害発生状況をみると、テルハの死亡災害は累計5人。他のクレーンと比較して死亡者が少ないのは、次の事項が考えられる。…
執筆:中野労働安全コンサルタント事務所 所長 中災防安全衛生エキスパート 中野 洋一
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2021年5月1日第2377号 掲載