【社労士が教える労災認定の境界線】第327回 上司らの叱責を受けた従業員が自殺
2021.05.11
【安全スタッフ】
災害のあらまし
自動車の製造などを行う企業X株式会社で、自動車部品の設備の設置や既存の設備の改造の業務に従事していた従業員Bが、上司Wに大きな声で叱りつけられ、室長Vも、Bに対しフロアにいる他の従業員に聞こえるほどの大きな声で叱りつけることがあった。Bはメンタルクリニックでうつ病と診断され、その後自殺した。
判断
上司らの叱責の内容やその他の状況から業務起因性は認められず、業務外となり労災請求は認められなかった。
解説
まず業務起因性について検討したい。
労働時間に関しては、X株式会社では平成20年に起こったリーマンショックの影響で業績が悪化したことを踏まえ、従業員に対して残業規制を行っていた。Bの発症前6カ月の時間外労働については、…
執筆:一般社団法人SRアップ21 東京会
港国際社労士事務所 代表 近藤 由香
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
2021年5月15日第2378号 掲載