【人事学望見】第1289回 事業場外労働みなし制の有効例 時間管理すべて営業社員任せに
2021.05.20
【労働新聞】
事業場外みなし労働時間制は、営業職のように事業場外で業務に従事し、労働時間の把握が難しい場合に対処するために設けられたもの。対象となる労働は、労働時間の全部または一部を事業場外で行い使用者の指揮監督が及ばず労働時間の算定が困難なときに限られる。
会社上司は報告聞くだけ
ITの発達により、会社からの指示を受けたり、また労働者から連絡をすることは極めて容易になり、事業場外みなし労働時間制が認められる環境は狭まってきている。そのなかで有効とされたものにナック(事業場外みなし労働制と労使協定の有効性)事件(東京高判平30・6・21)がある。
事件のあらまし
Y社は、企業コンサルティングなどを事業目的とし、その一環として、工務店向けに事業計画、経費削減、商品開発、販売方法効率化、ホームページ作成などに関するノウハウをまとめた各種マニュアルなどからなる包括的な役務の販売を行っている。
Aが従事していた業務は、事業場(支店)から外出して顧客を訪問、商品の購入を勧誘する営業活動だった。その態様は、訪問スケジュールを策定して顧客を訪問し、…
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令和3年5月31日第3306号12面 掲載